カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

プロジェクターのスペック

近年、家庭用シアタープロジェクターの価格が大幅に下がり、平均的な性能も急速にアップしたことなどから、ちょっとしたホームシアターブームが訪れている。実際3、4年前までの100万円クラスの液晶PJの性能を遥かに上回るモデルが、10万円台半ばで買えるようになり、さらには参入メーカーが増えたことによって選択肢も飛躍的に増した。プラズマテレビと比べても、ずっと安く大画面を手に入れることができる

そんな中気になるのが、各メーカーのスペック競争。中でもコントラスト比に関するスペック表記が、どうにも実態に則していないような気がしてならない

プロジェクターにおけるコントラスト比とは、簡単に言うと投射した映像の一番明るい箇所と一番暗い箇所の輝度の差を表す。最近は新製品が出るたびに「xxxx対1の高コントラストを実現!」とか「旧モデルに比べ、xx%コントラスト比を向上」といった宣伝文句が踊っている。しかしこの際のスペック上のコントラスト比というのは、そのプロジェクターを使用するのに最も適した環境を追求した場合にしか得られないものだ。つまるところ一般家庭で、カーテンを閉じて部屋を遮光し、市販の一般的なスクリーンにただ投影したのでは、当然理想的な数字は得られない。一般に専用ルームでもない限り日中の完全遮光ができる家庭は少ないし、迷光や逆光の対策を完璧に施して視聴している人は稀だろう

その上スクリーンの材質や構造でも映像の見た目は大きく違ってくる。ましてスペック上のコントラスト比の差など、なかなか見た目で判別できるものではない。メーカーでも1000対1を超えるコントラスト比を測定する際は、専用の機器を使うという。このことからも人間の目で判別できるようなものではないらしいことが窺える。さらにはもとの映像ソースや再生機器によっても違いが出るし、これは推測だが数千対1のコントラスト比を表現できる映像ソースは希少だろう

こう考えていくと、メーカーの表示するウン千対1の表記は、さほど意味が無く、購買意欲をあおるためだけの言わば架空の数字なのだと思われてならない。そもそもプロジェクターの良し悪しはスペックなどでは決まらない。多くの場合、総合的な映像の好みが選択の基準となる。早い話が実際に自分の目で見てみるまで、欲を言えばさまざまな環境で多様なソースを再生してみるまでは、自分にとって最良のプロジェクターは選べない、と思う。賢い消費者になるために、メーカーの提示するスペックは眉に唾しながら眺めることをオススメする