カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

ニュースは「情」で見てはいけない

毎日新聞HPより
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20040707k0000m040103000c.html

日本での定住を求めていた東京都荒川区立尾久八幡中1年、吉田メビサさん(13)の希望は、地域住民などの後押しを受ける形で、法の壁を越えつながった。
(中略)
代理人の村田敏弁護士によると、6日昼ごろに東京入国管理局の審査官から「3カ月延長」と電話連絡を受けたという。メビサさんは延長について聞いた瞬間、「素直にうれしかった。(タイへ帰ることになるという)不安はなかった」と話した

正直わしこの話題には興味なかったのだが、このニュースの受け止め方としてテレビ朝日の古舘が「自民党の票稼ぎ」を意味する発言をしたことが非常に気になった

古館の発言は、メビサさんの滞在延長をひとまず「良かったこと」とした上で「もっと短いスパンで選挙をすれば政治も良い方向に流れる」というような主旨のものであった

政党の政治活動が、それが良きにつけ悪しきにつけ選挙運動と見られるのは仕方の無いことだろう。選挙期間中やその直前であるのならなおさらである。だが、そのいずれも攻撃材料として捉えるのは単なる偏向というものだ。このあたりが古舘の浅薄なところだ。どうせ「政府(自民党)は批判してナンボ」程度の意識なのだろう。しかし、ニュースキャスターの仕事はまずは事実関係を間違いなく伝え、その原因や推移を明らかにすることだ。問題提起はあくまで蛇足に過ぎない

ま、蛇足が命の古舘にこんなことを言っても仕方ないかもしれないが、視聴者としては本来のニュースとこのテの蛇足を切り離して見る必要がある

この件に関して言えば、吉田メビサさん自身は日本とのゆかりがなく、日本国籍資格もないことから見て、法務省の判断は当然といえば当然のものだろう。あとは養父母による養育の必要性をどう判断するかだけの問題になる

個人的には、実際に日本に住む養父母との養子縁組も成立し、今現在養育されているわけだし、既に日本の中学校に就学もしているのだから、現状を考慮して定住資格の特例を認めてもよいのではないか、という気がする。だが、この判断を下すのはあくまでも入管だ

こういう話題の場合、マスコミの過剰演出によって、視聴者が「情」に流されがちな点が問題だ。メビサさんのようなケースはおそらく日本中至る所であるのだろうと思う。それら一つ一つについて「情」で役所や司法が判断することは当然のことながらできない。多少冷徹に思えても、そこには正当な理由があることを踏まえた上で考えないと、冷静な判断はできない

人々がこの話題に食いつき、少女に同情を寄せたことは、一つの「美談」ではあるかもしれん。だが、ニュースを見て同情を寄せた人は、その「被害者」がかわいらしい少女であったことが判断材料の一部になっていない、と言い切れるだろうか