男子マラソン、リマ無念
男子マラソン、優勝はイタリアのバルディーニ。ソウル五輪のジェリンド・ボルディン以来のイタリア選手のマラソン金メダルとなった
このレースでわしが心配していた「事件」が起きてしまった。先頭を走っていたブラジルのリマ選手が36キロ付近で突然コースに飛び出してきた観客の男に身体を掴まれ、沿道に押し出されてしまったのだ
女子マラソンのときにも、コースに飛び出して野口みずきの顔の前に花を差し出した馬鹿がいたが、周りの観客はおろか警官もまったくそれを止めなかった。それを見たときから男子マラソンでも同様の事態が起きはしないかと心配していたのだが、今回の事件はそれ以上のとんでもない事態
リマ選手は直後走りのペースを乱し、30秒以上あった2位との差はあっという間になくなった。結局後続の選手に抜かれ、3位となった
事件がなくてもあのままトップで走りきれたかどうかはわからない。しかし本人にとってみれば一生におそらく一度の金メダルのチャンス。やりきれないものが残っただろう
ゴールの瞬間、穏やかな笑みとともに観衆に投げキッスをしたリマ選手の姿は本当にすがすがしく、素晴らしいものだった。彼のスポーツマンシップ溢れる立派な態度を大いに讃えたい
しかしそれでも今回の事件は「ハプニング」などという言葉では済ませることができない。採点や判定などの問題の多かった今大会だが、最後の最後に大きな汚点を残したと言えるだろう