カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

「死ぬまでにしたい10のこと」

気になっていたこの作品、レンタルが安くなるのを待っていたのだが折りよくWOWOWで放送されたので見てみた

死ぬまでにしたい10のこと [DVD]

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余命2カ月と診断された若い母アンが、死を前にやり残したことをリストにし、実行していくというストーリー。若くしてもうけた二人の子供と定職のない夫を持ち、目の前の人生を一日一日生きるしかなかったアンが、死と直面して残り少ない人生を濃密に生きようとするわけなのだが、それほど重さはない。描写はあくまで淡々としており、お涙頂戴のケレン味はほとんどないので、そういうのが苦手な人でも安心して最後まで観られると思う

アンのやり残したことの中で「子供たちの新しい母親を探す」や「子供が18歳になるまでのバースデーメッセージを残す」は子を想う母親の愛情と強さが現れていて感動的。運良く母親にうってつけと思われる女性が隣に越してくるあたりは少々ご都合主義的と言えなくもないが、かわいい娘たちの行く末を案じるアンと観客の願望が一つになった場面と思えば許せる

しかし一つ「夫以外の男性と恋をする」というのが今ひとついただけなかった。初めてキスした男と結婚し、17歳で出産したアンからすれば、夫以外の男性との恋愛経験を持ちたいという願望も心情的にはわからないではない。男性としては結構わかる心理だ。だが、これが男女逆だったらどうだろう?何の不足も無い妻を持ちながら「初めての女(妻)としか経験がないから、死ぬまでに違う女も知りたい」という男性が主人公の映画だったら決して受け入れられないのではなかろうか?それどころかクズ呼ばわりされても仕方ないと思うのだが、、、

周りの人に自分の死を完全に伏せたままにしておくのも解せない。心配させたくない、余計な気をかけて欲しくない、という考えなのだろうが、少々身勝手と言えなくはないだろうか?恋人に逃げられた傷が癒えきっていない男を夢中にさせておいて「実は死ぬ寸前の女でした〜」ではあまりに酷い仕打ちではないのか?というような考えが拭いきれない。心情は察してあまりあるものの、自分もしくは自分の周りの人間の話だったらいたたまれないものがある、という気がする

それでもアンは「死ぬまでにしたい」ことをそれなりにやり遂げることができた。子供たちや夫に、自分の望むものを残した。翻ってわし自身がもしもうすぐ死ぬとなったらいったい何を残せるだろう、と考えると正直全然思いつかない。などと考えていたら、むしろ残したいものより抹消したいものの方がはるかに多いことに気づいて愕然としたりしたのだった^^;;;

いろいろ書いたけど、映画としては普通に面白い。映像も美しいし、キャラクターも魅力的。派手さとはほぼ無縁の演出も結構好み。ただ主人公の行動に今ひとつ共感できなかったというだけ。言い訳だけど、、、にしても、アマンダ・プラマー老けたなあ