「時をかける少女」
引き続き、これもBS-iで放送された「時をかける少女」を観る。この作品が大林宣彦の監督作だということは知っていたのだが、久しぶりに観てみると思った以上にベタベタの大林カラーの作品だったことを再認識させられた
- 出版社/メーカー: 角川ヘラルド映画
- 発売日: 2006/10/20
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物語の設定はかなり突拍子も無いSF。SF的展開の性急さや必然性の無さ(たとえば「なぜ尾道?」とか)に目をつむれば、映画の大半は正統派青春学園ドラマの体裁で進むのでさほど抵抗なく楽しめる
一点気になったのは、やや無理のある若者たちの設定。大林宣彦という人は「清く正しい若者しか描きたくない」という信念を持っているかのような気味があるのだが、いくらなんでも同級生の女子を「xx君」と呼ぶのはいささか無理がないか?「時代が違う」と言えばそれもそうなんだろうが、当時の高校生だってそんな呼び方はすまい。主人公の部屋にもおよそ現代の女の子の部屋に似つかわしくない装飾品や日本人形が置いてあって、その辺が気になりだすとどうも落ち着かない
まあ、でもそんなことは本当はどうでもよくて、やはりこの映画は若き原田知世の瑞々しいまでの初々しさと愛らしさを素直に楽しむのが正解なのだろうと思う
この映画は昨日書いた「探偵物語」と同じ1983年の作品。これもまたわしは劇場で観たのだが、正直言って当時は原田知世の魅力が今ひとつわからなかった。30過ぎた現在観ても、映画の序盤のうちは「そんなにかわいいかなあ?今の方がいいよなあ」とか思ってしまったのだが、ちょっとした仕種や佇まいが醸し出す雰囲気、その愛らしさに徐々に引き込まれてしまった。でも今「かわいいなあ」と言うその語幹は異性としてのそれではなく、親戚の子供に対してのそれとほぼ同じ。結論から言えば、あの魅力がわからなかったわしはガキだったのだろうし、わかる今はおじさん化しているのだろう(笑)
エンドロールがミュージックビデオみたいに編集されているのは笑った。なんとなく覚えてはいたのだが、今見ると妙におかしい。それでも悪びれず、その「悪ノリ」的サービスをこなす原田知世が何とも言えずいいよなあ(結論はそれかい)