カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

小噺「火の用心」

てけてんてんてん・・・(出囃子だと思いねえ)

昔は寒い季節になると「火の用心、マッチ一本火事の元」なんて言って、町内会の人やなんかが拍子木鳴らしてご近所中を練り歩いたりしたもんなんですが、最近はあんまり見かけなくなっちまいましたねえ。ご近所の付き合いってもんが薄れたのもあるんですが、どうも今じゃもっといい火の用心の方法ってのがあるらしいんですね

ハチ「いよう、熊さん久しぶりじゃあねえか。いい日和だねえ」
熊「おお、八っつぁんか。どうしたんだい?なんだか重そうなもん抱えてんじゃねえか」
ハチ「ああこれかい?こいつぁ最新型の消火器さ。これさえありゃあちょっとした火事なんかちょちょちょいっと消えちまう。大したもんだろ?」
熊「馬鹿だねえ、お前さんは。消火器なんかなくったって、火事なんか心配するこたあねえんだよ」
ハチ「そうは言っても昔から『備えあれば憂いなし』って言うじゃねえか。この消火器さえありゃ・・・」
熊「何言ってんだい。消火器なんか持つから、火事が起きるようなことをしちまうんじゃねえか」
ハチ「そんなもんかねえ?」
熊「当たりめえじゃねえか。消火器なんか持ってみろ。どうしてもその消火器を使いたくなっちまって、今に大火事起こすに決まってらあな」
ハチ「そいつあてぇへんだ。今すぐこの消火器返してこねえと」
熊「おうおう、そうしろそうしろ。それにな、火事を防ぐってんなら、消火器なんかよりもっといい方法があるんだぜ」
ハチ「もったいぶらねえで、教えてくれよ」
熊「そいつぁなぁ、、、火を使わねぇんだよ。そうすりゃ最初から問題なんか起きもしねえってな」
ハチ「さすがは熊さんだ。恩に着るよ。それじゃあオイラちょっくら戻って火の元を一切合財捨ててくらあ」
熊「おう、そうしろそうしろ」

それから一週間後、かわいそうにハチの家は隣の大家のもらい火で全焼してしまいました

ハチ「熊さん、ひでえや。熊さんがあんなことを言わなけりゃ」
熊「つくづく馬鹿なやつだなあ、お前さんは。これで一生火事の心配をする必要がなくなったんじゃあねえか」

お後がよろしいようで