「フライト・オブ・フェニックス」
- 出版社/メーカー: 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
- 発売日: 2005/12/16
- メディア: DVD
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のっけからいきなり飛行機が墜落し、砂漠でのサバイバルと脱出に物語が絞り込まれるのがいい。余計なサブストーリーに悩まされることなくドラマに集中できる
ただ、絶望的な状況の中でもどこかのほほんとした雰囲気が感じられ、もう一つ切迫感に乏しい。水や食料の制限を口にはするものの、どこか余裕が感じられてしまう。飛行機の建造作業中にも雷雨や砂嵐といったトラブルが襲い掛かるのだが、それも「なんとなく」克服してしまう。オリジナルには暑苦しいまでの男臭さとサバイバルの緊張感があっただけに物足りなさを覚える。筋立ての面白さは文句無しなだけに演出の詰めの甘さが残念だ
サバイバルの過程で主要登場人物の誰かを殺してストーリーに山を作る手法は、このテの映画の常套手段ではあるものの、その際の悲しみや痛みが感じられるのは直後の一瞬だけで、次の瞬間から何事もなかったように忘れられてしまうのはいかがなものか?仮にも仲間の一人が死んだのだから、その重さは忘れずに背負っている、という演出(演技)が欲しい気がする。しかしそれも重苦しさを排して、娯楽性を追及した結果なのかもしれない
確かにこの映画は娯楽作品として非常によく出来ているとは思う。ラストの離陸シーンでも思わず「飛べ!飛べ!」と願わずにはいられないし、ついに空を舞うフェニックス号の姿からカタルシスも得られる。ギリギリの緊張感や飢餓感よりも、娯楽作としての爽快感や開放感に重きを置いた、そう解釈すれば納得がいく
これからこの作品を観る方は、ぜひ傍らにポップコーンとコーラ(orビール)でも置いて、気軽に楽しむことをお奨めする