カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

「ブラザーズ・グリム」

12月1日のことなのでもう4日も経ってしまったが劇場で鑑賞してきた

わしのお気に入りの映画監督の一人、テリー・ギリアムの最新作ということで期待して観に行ったのだが、結論から言うとやや肩透かし。「らしさ」はあるものの意外にあっさりした出来に拍子抜けしてしまった

童話で有名なグリム兄弟が実はペテン師で、罪を免れるために本物の妖怪(?)退治に挑む、という物語のアイディアそのものは面白い。しかし脚本が用意する「おいしい」仕掛けの数々を突き詰めることなくスルーしてしまう。謎解きの楽しさなど不必要と言わんばかりに「これでいいのだ!」という語り手の結論を観客に押し付ける手法は、ギリアム流と言ってしまえばそれまでなのかもしれないが、程度が過ぎると単なるエゴイズムとしか映らない

エンターテインメント性に乏しい本作。それでも強烈な毒を撒き散らすような勢いがあれば少しはマシな作品になっただろうが、それもまた中途半端。凡庸な作品と言わざるを得ない

鏡の女王を演じるモニカ・ベルッチが登場するシーンや水に浮かぶ少女の描写など、映像の絵的な切り取り方には随所に「流石!」と思わせるところもあっただけに、拙速で深みの無いドラマ展開があまりにも残念。このあたり、兄弟の関係性から生み出されるドラマにもう少しじっくり時間を割けばよかっただろうに、などと思ってしまった