カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

日本沈没

なにやら順番が逆になってしまったような気もするが、「日本以外全部沈没」を観た後にWOWOWで「本家」の放送があったので観た

観ながらずっと思っていたのは、「日本沈没」ってこんな人間愛を無条件に賛美するような映画だったっけか?ってこと。旧作の「日本沈没」では歴史上ずっと島国である日本列島だけにとどまってきた(ほぼ)単一民族の日本人が、苛烈な国際社会の中で「帰るべき国土」を失っても生きていけるのか?という深刻な問題提起があったと思うのだが、この作品にはそれが無い。沈没の事実を知った人々はほとんどあっけらかんと「移民」を口にするし、外国に逃れられたものは無条件に「勝ち組」という位置づけで語られる。祖国喪失という重い絶望感が最後まで描かれず、薄甘い人間愛にドラマを集約してしまっている。だから愛は奇跡を呼んでも、「このまま日本と共に沈んだ方が良い」という人々の深遠な思いは単に安直な諦観としか捉えられない

要は「軽い」のだ。監督の樋口真嗣は「ローレライ」でも人間の死をほとんど記号としてしか描かず、そこに伴う苦痛の表現を極力避けていたが、今作も同様。主人公たちの活躍をヒロイックに描く方にばかり力を傾注する。あくまでスペクタクルとして、エンターテインメントとして描きたいがための手法なのかもしれないが、最後まで死の恐怖を感じさせない演出のために全てのエピソードが軽くなってしまった気がする

ま、あくまでもテレビ局タイアップの映画。有名タレントが出演して、有名歌手の歌がドラマティックに絡めばそれでOK!という作品なのだろうから、軽くて当たり前なんだろうけどね