ダイ・ハード4.0
土曜日に先行上映で観て来た
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2007/11/07
- メディア: Blu-ray
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その後日曜日の夜にテレビで「ダイ・ハード」が放送されていたので観ていたら、もやもやの原因がわかった。「ダイ・ハード4.0」でのジョン・マクレーンは18年前の第一作とはまるで違う人物になってしまっていたのだ
以下ネタばれ含む
まず第一作から第三作までのマクレーンは、本人に全然やる気がないにも関わらず、否応無しに事件に巻き込まれ、途中犯人の非道に対する怒りで暴走気味に立ち上がり一件落着に至る、というストーリー上のお約束があったのだが、今回のマクレーンはかなり最初の段階からモチベーションが高い。18年の間に改心したのだろうか?今回マクレーンの相棒となるハッカーのファレルが劇中何度もマクレーンのことを「英雄だ」と言うのだが、どうやらこの「4.0」の作者はマクレーンを本当の英雄にしたかったらしい
「ダイ・ハード」の題名が表すとおり、第一作のマクレーンは死の危険に対し、己の知力と体術の限りを尽くしてこれを退けていたが、二作目以降ではなぜか肉体そのものが屈強になり、飛行機から落ちようが、強力な爆弾の爆発に巻き込まれようが死ぬどころか骨折すらしなくなり、「ダイ・ハード」という題名の意味それ自体が変わってしまっていた。どんな目に遭っても次のシーンでムクリと立ち上がるマクレーンの姿はターミネーターのパロディか?と思うほどで、もはやほとんどギャグの世界。今回の「4.0」ではそれがさらにエスカレートし、バカヅキの要素まで加わってしまった。これでは「世界一不運な男」のキャッチフレーズももう使えまい
要するにこれは「ダイ・ハード」じゃないよね、って話。「ダイ・ハード」で作る必然性が感じられない、と言ったら単なるファンのわがままだろうか?とは言え、やはり連作なのだからこれまでの主人公のキャラクターを(ほぼ)一切無視ってのは問題アリだろう
映画の面白さを否定するつもりはない。むしろアクション映画としては見所盛りだくさん。ヘリコプターとのチェイス、敵方戦闘員のサーカスまがいの格闘アクション、F-35を向こうにまわしてのバトルなど、何も考えず視覚と聴覚だけでも楽しめる。こういう大味なエンターテインメントもハリウッド映画の醍醐味の一つだろう。昔からの「ダイ・ハード」ファンには薦められないが、ニューカマーなら関係なし。劇場で観る価値は十分にある快作と言えるだろう
*1:ダメ日本語だよ