カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

「ラブソングができるまで」

レンタルDVDにて鑑賞。前日の「幸せのレシピ」がイマイチ面白くなかったので、口直し的に観る

ラブソングができるまで [Blu-ray]

ラブソングができるまで [Blu-ray]

80年代の人気グループ「POP」のメンバーだったアレックス(ヒュー・グラント)は、人気絶頂の歌姫コーラから曲製作の依頼を受ける。しかしアレックスは長い間曲作りから遠ざかっていた上に作詞が大の苦手。人気作詞家とのコンビで曲作りをはじめるもうまくいかない。そんな中、植木係として自室にやってきたソフィー(ドリュー・バリモア)が口ずさんだ一節に才能を感じたアレックスは、彼女と組んで作曲に挑む、、、といったストーリー

すっかり2.5枚目が板についたヒュー・グラント。今回も腰フリダンスで一世を風靡しながら、今は痛めた腰をかばいつつ場末のステージに上がるヘナチョコ男というジャストな役。役柄の関係上、彼が歌い踊るシーンがかなり多いのだが、吹き替えがまったくないことに驚く

一つ前提として「80年代のミュージックシーンを知っているかどうか?」この点が映画を楽しく観られるかどうかの重要な分岐点になる。それがわからないと「デビー・ギブソンティファニー」とか「アダム・アント対ビリー・アイドル」なんてネタもさっぱりだろうし、まるでワム!のアンドリュー・リッジリーのようなアレックスの境遇も面白さ半減となってしまうだろう

劇中の楽曲は見事なまでに80年代的で良い。しっかり耳に残るシンプルなメロディライン。ああいう正しく「ポップ」な曲は最近のヒット曲にはあまり無いので逆に新鮮に響く

この作品も「幸せのレシピ」と同様、トラウマと傷を抱えた人間が自分を変えてくれる人物との出会いを通じて殻を破り、前へ踏み出すという構造になっている。しかし「幸せの〜」と決定的に違うのは、「幸せの〜」があまりに受動的、ご都合主義的であったのに対し、「ラブソング〜」は足りないものを補い合うことでお互いを成長に導いていくパートナーシップがそれなりに描かれていたこと。もちろんベタ過ぎるのは認める。「甘い」とか「安直だ」という意見もわかる。が、一歩間違うと傷を舐めあうだけの馴れ合い関係になってしまいがちな設定を、うまく消化してハッピーエンドに持っていったのはなかなか見事だったと思う

何より良いのは「ちゃんと笑える」作品になっているということ。それだけでもあまり厳しいことを言う気にはなれない。小難しいことを考えずにホッと暖かくなりたいひとにはおススメの映画だ