「ラブソングができるまで」
レンタルDVDにて鑑賞。前日の「幸せのレシピ」がイマイチ面白くなかったので、口直し的に観る
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2007/09/07
- メディア: Blu-ray
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すっかり2.5枚目が板についたヒュー・グラント。今回も腰フリダンスで一世を風靡しながら、今は痛めた腰をかばいつつ場末のステージに上がるヘナチョコ男というジャストな役。役柄の関係上、彼が歌い踊るシーンがかなり多いのだが、吹き替えがまったくないことに驚く
一つ前提として「80年代のミュージックシーンを知っているかどうか?」この点が映画を楽しく観られるかどうかの重要な分岐点になる。それがわからないと「デビー・ギブソン対ティファニー」とか「アダム・アント対ビリー・アイドル」なんてネタもさっぱりだろうし、まるでワム!のアンドリュー・リッジリーのようなアレックスの境遇も面白さ半減となってしまうだろう
劇中の楽曲は見事なまでに80年代的で良い。しっかり耳に残るシンプルなメロディライン。ああいう正しく「ポップ」な曲は最近のヒット曲にはあまり無いので逆に新鮮に響く
この作品も「幸せのレシピ」と同様、トラウマと傷を抱えた人間が自分を変えてくれる人物との出会いを通じて殻を破り、前へ踏み出すという構造になっている。しかし「幸せの〜」と決定的に違うのは、「幸せの〜」があまりに受動的、ご都合主義的であったのに対し、「ラブソング〜」は足りないものを補い合うことでお互いを成長に導いていくパートナーシップがそれなりに描かれていたこと。もちろんベタ過ぎるのは認める。「甘い」とか「安直だ」という意見もわかる。が、一歩間違うと傷を舐めあうだけの馴れ合い関係になってしまいがちな設定を、うまく消化してハッピーエンドに持っていったのはなかなか見事だったと思う
何より良いのは「ちゃんと笑える」作品になっているということ。それだけでもあまり厳しいことを言う気にはなれない。小難しいことを考えずにホッと暖かくなりたいひとにはおススメの映画だ