バッテリー
あさのあつこ原作の同名小説の映画化。WOWOWでやっていたので録画しておいたのを観た
バッテリー 特別編 (初回生産限定版) (あさのあつこ書き下ろし小説付) [DVD]
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2007/09/07
- メディア: DVD
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設定のひとつひとつが「いつかどこかで見た」もので、どうにも新鮮味が足りない。舞台は現代のようなのだが、あまり現代的でなく、どちらかと言えば大人の目線から見た子供時代の再現的色彩が強い。そのためなのかどうかはわからないが、どこか空々しい感が拭えない
物語の核となる子供達の良い子さ加減とそれに相対する「悪役」キャラの落差が大きすぎてリアリティーに欠ける。おそらくこれを見た現役の中学生も画面の中の子供たちに多少なりとも違和感を覚えるのではなかろうか?正直わしは登場するどの人物にもまったく感情移入できなかった。キャッチャーの豪のさわやかさは良かったが、ちょっと良い子過ぎて共感までは至らず。主人公・巧の人物像にも若干肉付け不足を感じたが、この辺は原作を読めば印象が変わるのかもしれない
一番気に入らなかったキャラクターは元高校野球監督の祖父。物語における立ち位置が最後まではっきりせず、いつもしたり顔で全てをわかっているようでいながら、何もわかっていない。最終的に何かに影響を与えたのかと言えば、なんらの役割も果たしていない。「イラネーよ、この人」と思ってしまった。一緒に観ていた相方は、常に上から目線で物を言う巧の母や野球部の監督が気に入らなかったらしい
野球の描き方は悪くない。剛球投手の巧がちょっと線細すぎるし、フォームももう一歩かな?と思ったが、例えば「メジャーリーグ」とか「さよならゲーム」とか他の野球映画に比べたらマシな方だと思う。対して豪のキャッチングはなかなかサマになっていた。コンパクトに構えて、右手を隠す仕草はかなり堂に入ったもの。高めにボールが逸れても、ちゃんとミットを立てずに捕りに行くなど基本ができていたのには感心した
まあボロクソ書いてしまったが全体としては可も無く不可も無しという印象。あまり「泣こう」とか意気込まずに観る事をオススメする