カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

未来予想図〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜

上のタイトルを打つ時点で恥ずかしさ満点なんですがw。バカ映画のニオイをプンプン感じるタイトルながら、WOWOWで放送されていたので観てみる

この映画を評するキーワードは「薄っ!」。物語も人物描写も場面や状況の設定も何もかもが「薄っ」の一言で片付けられる。もともとがドリカムの「未来予想図」という歌の歌詞をモチーフ*1にした映画なのだが、例えるなら「ほんの数分の歌のエキスを大量の真水で希釈し2時間近くまで引き伸ばした」といったところだろうか

この歌を知らないっていうわしみたいな人はうたまっぷでチェック

物語全体を俯瞰すると、主人公の男女二人の1997年から2007年までの10年間にわたる出会い、別れ、再会を描いているのだが、時の流れを表現する手段は画面上に表示させるテロップのみ。主人公の髪型や服装はおろか、風景、風俗など時代の変遷を表すものが何一つ記号としてすら提示されない。したがってテロップを外したら絶対10年間の出来事には見えない。もしかしてこれは「10年間二人の思いに何の変化もなかったね」という心象表現なのかも、などと最大限好意的に解釈してみようかとも思ったが、それとて「周りや見た目は変わったが、二人の思いは変わらなかった」という風に作った方が効果的なのは明白なので、単に演出の怠慢なのだろう

無理矢理ドリカムの歌に合わせる演出の数々にも辟易。主人公は都内の設計事務所のペーペーなのに品川ナンバーの車でヒロインを家まで送る、「どんな大会社のエリート社員なんだよ!」とツッコミたくなるこの場面もドリカムが「ブレーキランプ5回点滅愛してるのサイン」と歌っているから、リアリティそっちのけで忠実に再現。バイクに2ケツでヘルメットをぶつけ合うとか、ブレーキを5回踏むとか、歌にすればかわいらしい話なのかもしれないが実際にやられるとどえらく寒い

ストーリーの整合性もムチャクチャ。ヒロインは主人公の「スペインで建築を勉強する」という夢を実現するために(とっさの思いつきでw)別れる。直後主人公はスペインへ。5年後、突如主人公への思いが高まったヒロインはスペインへ。バルセロナの街をぶらぶら歩いてたら主人公発見(バルセロナ狭っ!)。ヒロインは主人公が子供と奥さんらしき人といる様子を目撃(実際には知人の妻と子)。ヒロイン、ショックを受けて帰国。ヒロインの後姿を見た主人公は日本にいる友人に電話。そこで友人が一言「俺、彼女にお前はスペインで結婚したって話したんだ」???ハァ?何その衝撃発言。んじゃ、ヒロインは主人公が結婚してることを知っててスペインへ行ったのに、主人公が奥さんといる様子を見たらショック受けちゃったわけ?この辺からもうわけわからん。んで、その後主人公は日本へ帰国。横浜ベイクォーターの花火大会へ行き、移動もままならないほどの人ごみの中でまたも偶然にもヒロインと再会。見つめあった二人は誤解も何も解けぬまま熱い抱擁。このときなぜか周辺には人無し。バックには「恋が成就する花火」w、、、って、もうこの辺まで来ると涙で何も見えなくなる(笑いすぎて)。つーか、この女不倫覚悟ってことやんけ

ひとつ真面目な話をすると、理由はどうあれ大人の女性がスッパリ別れた男のことを何年も経って思い出すなんてほとんどあり得ねえと思う。思い出すことはあっても、もうとっくに別の男へ行ってるでしょ。そもそもそんな未練たらしい女は世間的に見てイヤな女でしょ。そういうことが全然わかってない

まあとにかくツッコミどころ満載。にもかかわらず「恋空」に比べてイマイチ面白さに欠けたのはセックスもバイオレンスも無いからw。とは言え、それがあったらもう少しマシになったかと問われれば(演出・脚本の力量を考えると)「それはない」と断言せざるを得ないのだが

*1:原作と言い換えてもいいかも