アストロノーツ・ファーマー
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アストロノーツ・ファーマー/庭から昇ったロケット雲 [DVD]
- 出版社/メーカー: NIKKATSU CORPORATION(NK)(D)
- 発売日: 2008/12/12
- メディア: DVD
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一言で言って非常に「惜しい」映画。アイデアは素晴らしいのにプロットの肉付けがあまりに貧弱でどうにも乗り切れない。作品紹介だけ見て、完全に好みの映画と思って期待していただけに肩透かしを食らってしまった
まず映画が始まった時点でロケットがほぼ完成間近というのが面白くない。どうせならもっとテスト段階からエピソードを積み上げてくれた方がストーリーに深みが出たはず。主人公ファーマーの苦悩はロケット製作の資金繰りから、夢と現実の間での葛藤という形で描かれはするものの、それらのほとんどが根本的な解決を待たずに物語がどんどん進行してしまう。あれでは最終的な帰結としての「打ち上げ成功」は単なる予定調和にしか見えない
夢を諦めないとか、父として行動で子供たちに範を示すとか、表現したかったことはよくわかるのだが、ならば細部までリアリティを追求するか、空想的なSFとして描くか、どちらかに徹底して欲しかった。わしが見たかったのはもっとリアルなドラマ。資金繰りの解決策がスポンサー集めなら、数え切れないほどの広告に埋め尽くされたロケットを飛ばして欲しかった。ロケット燃料の代わりに灯油を用いた混合燃料を作るなら、その過程をきっちり描いて欲しかった。壊れたロケットを回収して、使える部分を選別、修理する行程を描いて欲しかった。困難を自らの才覚と努力で切り開く主人公の姿がもっと観たかったのだ
挙げればまだまだキリがないほど脚本には穴が多い。アイデア、役者、舞台設定、最高の素材が揃っているのに実にもったいない。「もっと面白くできたのに」と思えば思うほど、不快な気分にすらさせられてしまった。今年最初の残念賞映画