カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

アストロノーツ・ファーマー

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アストロノーツ・ファーマー/庭から昇ったロケット雲 [DVD]

アストロノーツ・ファーマー/庭から昇ったロケット雲 [DVD]

実家の農場を継ぎ家族とともに農村で暮らす元宇宙飛行士候補生のファーマー。宇宙への夢を諦めきれない彼は、自力ででロケットを作りつづけていた。家族の協力を得て準備を進めるが、ロケット燃料を購入したことでFBIから危険人物として目を付けられてしまう、、、といったストーリー

一言で言って非常に「惜しい」映画。アイデアは素晴らしいのにプロットの肉付けがあまりに貧弱でどうにも乗り切れない。作品紹介だけ見て、完全に好みの映画と思って期待していただけに肩透かしを食らってしまった

まず映画が始まった時点でロケットがほぼ完成間近というのが面白くない。どうせならもっとテスト段階からエピソードを積み上げてくれた方がストーリーに深みが出たはず。主人公ファーマーの苦悩はロケット製作の資金繰りから、夢と現実の間での葛藤という形で描かれはするものの、それらのほとんどが根本的な解決を待たずに物語がどんどん進行してしまう。あれでは最終的な帰結としての「打ち上げ成功」は単なる予定調和にしか見えない

夢を諦めないとか、父として行動で子供たちに範を示すとか、表現したかったことはよくわかるのだが、ならば細部までリアリティを追求するか、空想的なSFとして描くか、どちらかに徹底して欲しかった。わしが見たかったのはもっとリアルなドラマ。資金繰りの解決策がスポンサー集めなら、数え切れないほどの広告に埋め尽くされたロケットを飛ばして欲しかった。ロケット燃料の代わりに灯油を用いた混合燃料を作るなら、その過程をきっちり描いて欲しかった。壊れたロケットを回収して、使える部分を選別、修理する行程を描いて欲しかった。困難を自らの才覚と努力で切り開く主人公の姿がもっと観たかったのだ

挙げればまだまだキリがないほど脚本には穴が多い。アイデア、役者、舞台設定、最高の素材が揃っているのに実にもったいない。「もっと面白くできたのに」と思えば思うほど、不快な気分にすらさせられてしまった。今年最初の残念賞映画