カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

20世紀少年 第2章 最後の希望

息子を実家に預けて映画館へ

まだ公開中だけど、まあこれはネタバレもへったくれもないからとくに伏せない

20世紀少年<第2章> 最後の希望 [Blu-ray]

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前章と同じく原作の絵に顔かたちの似た役者を集め、原作の絵そっくりに画面を構成し、原作の物語をダイジェスト的に2時間半にまとめた映像作品。前章の「おさらい」がまったくなく、ラストも連載マンガのごとく「次回へつづくッ」的尻切れトンボ。単品ではまったく作品として成り立っておらず、これを一本の映画として取り扱ってよいものなのかどうかも謎。原作を知らない人が観たら意味不明なのではなかろうか?

相方は第2章の主役たるカンナを演じる平愛梨が「ヘタだなあ」と言っていたが、もはや演技がうまいとかヘタとかは作り手にとってはどうでもいいことなのだろう。結局のところ映画作りの目的自体が「いかに原作に近づけるか」「いかに原作マンガをそのまま実写映像化するか」なのだから

前章のときにも感じたことだが、マンガの映画化にあたって原作者が深く介入しすぎることの弊害をより強く感じた。漫画家にしてみれば自分が全身全霊を傾けて(?)描いた作品なのだから、ニュアンスに至るまでイメージを崩さないで作ってほしいと思うのは当然だろう

しかしマンガと映画はやはり方法論が違うのだ。マンガは絵というデフォルメされた世界が前提だから、自然と読み手もそれに合わせてイメージを膨らませ、行間を埋める脳内作業をする。しかし映画は画面に描き出されるものがすべて。だからマンガのとおりに絵を作っていたのではリアリティが不足してしまう。どこか表面的に物語をなぞっているようにしか感じられず、「ともだち」とその組織の不気味さも細菌兵器の恐ろしさも今ひとつ伝わってこない

登場人物が多過ぎるのも問題。ひとりひとりの人物像の描き込みに割かれる尺が短くなりすぎ。豪華キャストを存分に見せ付けたい気持ちはわかるが、肝心の人物が描けなければ物語に深みが出てこない。だいたいあれじゃ、ショーグン(オッチョ)と一緒に刑務所を脱獄した漫画家(角田)の存在理由がまったくわからないではないか

無論原作に忠実なことを完全に否定するつもりもない。たまたまこの映画が始まる前にハリウッドで製作された「ドラゴンボール」の予告編が流されていたが、あそこまで原作の雰囲気を無視してよいものかと言えばそれはまた別問題。まぁ映画そのものが面白ければわし個人としてはオッケーってことになるだろうが

厳しいことばかり書いたが、展開のテンポは前章よりかなり良くなっていた。これは評価できる。2時間半それなりに退屈せずに観ることはできるだろう

3部作だから最終的な評価は終わってみないと何とも言えないのかもしれないが、この作品に関しては結論が見えちゃってるからな〜