潜水服は蝶の夢を見る
WOWOWの放送を観たのは先月のことなのだが、すっかり忘れていたのでディレイエントリー
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2008/07/04
- メディア: DVD
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映画の前半ほとんどはジャン=ドミニクの限られた視点で描かれるため、画面から得られる情報が極端に限られ、それが強いストレスを生む。しかしこの演出によって観客はジャン=ドミニクの境遇を疑似体験することになる。絶望的な状況と閉塞感が支配する中、ジャン=ドミニクがまばたきによるコミュニケーション手段を得て外界への扉が開かれていくにつれ、映画の画面もまた広がりを見せ、ジャン=ドミニクの視点から自由になっていく。このあたりの演出が実に巧み
希望を描きつつも主人公の置かれた状況そのものに大きな変化は無いし、その現実は非常に重いものでありながら決して悲劇性だけを追わず、どこかユーモアを保ち続けるのは体験者自身の言葉に基づいたリアルさゆえだろう
気が遠くなるような膨大な時間と手間をかけて綴られた真実の物語を前にすると「感動」などという言葉すら陳腐に思えてくる。ただただ圧倒されるばかりだった