カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

犬と私の10の約束

WOWOWで放送されていたので鑑賞。先に書いてしまうが「悪い予感が当たった」という出来

犬と私の10の約束[プレミアム・エディション](2枚組) [DVD]

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函館に住む14歳の少女あかりは医者である父と母との3人で幸せに暮らしていた。ある日、母が病気で入院してしまう。父は仕事で忙しく、家で独り寂しく過ごすあかりは庭に迷い込んだ一匹の子犬を見つける。その子犬を飼うことにしたあかりに、母は犬を飼う時に守るべき「10の約束」を教える、、、といったストーリー

犬の十戒」なる元は英文の詩をモチーフに少女と犬の10年間を描いた作品なのだが、その割には重みも深みもなく、良い言い方をすればサラッと観られる作品となっている*1。物語を形作る要素は非常にベタ。かわいい動物に親しい人間の生死といった「泣き」の要素をてんこ盛りにして、そのイメージにピタリと合った音楽を臆面もなく乗っけて一丁あがり!という図式。心情は包み隠さず台詞に託し、複雑な感情や設定は極力排除したどんな人にでもわかりやすい直球な造りに唖然としてしまった。なんだこの「上から目線」的な観客を小馬鹿にした映画は

そもそも演出がプロのレベルに達していない。二人が抱き合うシーンの前に各々の人物の表情を正面から撮ったカットなんて今時入れるか?海岸でトヨエツが犬を抱き寄せるシーンにわざわざ妻の姿をオーバーラップさせるか?等々、「そんな説明不要だろ!」とツッコむことしきり。ツッコミついでに内容にもツッコむと、ゴールデンレトリーバーが偶然迷い込むわけないことくらい気づけよ!とか、預けられた犬を玄関につないだまま家を空けるなよ!とか、その犬が逃げ出していたのに少しは疑問を持てよ!とか、獣医なんだから犬のいたずらぐらい覚悟しとけよ!とか、獣医なんだからもっと冷静に犬の臨終に立ち会えよ!とか、犬小屋に10年間も母親の手紙がそのまま置きっぱなしなわけねえだろ!とか、もう挙げ出すとキリがないw

犬の十戒を元にした割には犬の扱いがお粗末なのも観ていて耐え難い。あんなに簡単に飼育不能になるような環境なら、最初から犬を飼わなければいいのに「娘が飼いたがっているから」と与えてしまうのは根本的に犬のことなんか考えていないということだろ?犬との関係性の描き方も希薄。あれだと結局犬は母の「身代わり」であって、孤独を癒してくれる「慰め」としての存在意義しか見出せない

この映画に「泣ける」要素を見出すとすればそれは「十戒」を守れなかった自分への後悔か、あるいはこの映画における犬の存在意義を共有できるからか、飼い犬の死を思い出したor思い浮かべたから、、、くらいのもんだろう。まあ、中には本当に純粋無垢なだけの人もいるかもしれんが

わしならこれを子供に見せたいとは決して思わんな。「犬の十戒」を直接教える方が有意義っしょ
ポチッとな

*1:無論皮肉