ラスベガスをぶっつぶせ
RD-A301に録画したタイトル消化のため視聴。最初に書くと威勢のよい邦題の割にはラスベガスは最後までぶっつぶれない(原題は「21」)
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2008/10/22
- メディア: Blu-ray
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主人公がイカサマや裏技を駆使してカジノ荒らしをする、というよくありがちなネタではあるが、実話を基に描いたということにまず驚かされる。この映画で描かれるブラックジャックの必勝法は「カードカウンティング」と呼ばれるもので、かつてダスティン・ホフマンが主演した「レインマン」でも描かれた方法。これは、手札のポイントが17以上になるまでディーラーはヒットし続けなければならないというルールを利用し、ディーラーがバストする確率の高いときに掛け金を増やして勝負する、という方法らしい。ブラックジャックのルールを知らない人はこのあたり観ていても置き去りにされる可能性が高い。アメリカではポピュラーなゲームだとしても、ちょっと日本人向けではない。まあカブと同じようなもんだと思えばいいかもしれんけどw
カジノシーンがわかりにくい、という点を抜きにすれば概ねテンポよく、傑作とまでは言わないまでも軽い気分で楽しく観られる映画に仕上がっている。ラストのどんでん返しもキレイに決まっているし、それなりにカタルシスを味わうことはできる。しかしそれだけ
終盤の展開から、この手の作品によくある「金よりも大事なものがある」「人生そううまくはいかない」的なご教訓めいたものを主題に据えるかと思いきや、主人公が到達する結末はかなり甘口。そこに人間的な成長はあまり見受けられない。娯楽作なので四の五の言っても仕方ないのかもしれないが、もう少しテーマ性を帯びた、地に足の着いた到達点を用意しないと、非常に浮わついた、ともすれば結果オーライの印象だけが強く残ってしまうのではなかろうか