ハッピーフライト
WOWOWで放送されていたのを録画。息子が昼寝している間にテレビでの鑑賞となった
ハッピーフライト ファーストクラス・エディション [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2009/05/22
- メディア: Blu-ray
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主役級の俳優を複数人配しながら、その誰もが「主役」とは言い難い、という構造は、日本の商業映画としては極めて珍しいパターン。宣伝を見る限りは綾瀬はるかが主役なのかと思っていたのだが、彼女の見せ場は中盤で早々に終了してしまう。むしろサイドストーリーで出会いの予感を漂わせた田畑智子の方が印象は強い。この辺りは「旅客機が飛ぶ際、誰かが中心になってしまってはいけない」というANAへの配慮だろうか?
それにしても非常に几帳面なつくりの映画だ。随所にちりばめられた伏線を丁寧に拾って消化しつつ、話の本筋からは外れることなくすべてが大団円へと収束していく。予定調和と言ってしまえばそれまでだが、ここまで見事に収斂させる技を見せつけられると舌を巻くよりほかない。しかしあえて言うなら、本来「バカ映画」の人のはずの矢口史靖らしさは残念ながら見られなかった。近作の「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」でもお約束のごとく、冗長なまでのバカシーンが挿入されていたのだが、今回はそれは一切なし。コミカルさは保ちつつも、真面目一辺倒にストーリーを消化しきった様子を見るにつけ、ついスポンサーの「縛り」がかなりキツかったのでは?と邪推せずにはいられなかった。だとしても、その上でここまで「万人が楽しめる」作品に仕立て上げた手腕は高く評価されてよいのではないかと思う
誰も不幸になることはないので、誰とでも安心して楽しめる作品。そう思うと意外にこれは貴重な作品なのかもしれない
ポチッとな