カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

BSアニメ夜話第2弾

観た。風邪で寝込んでいたので見逃すところだったが、なぜか放送直前に目をさましてしまった

今回のお題は劇場版の「機動警察パトレイバー」1・2作。前回もそうだったが今回も作品のアニメ史における位置付けの話がメイン。あとは押井守の作家性に関する話くらいに留まる。途中背景美術に関するテクニカルな話もいくらかあったが、だいたいは前述の2題の話題に終始していた

当たり障りのない話が多い中、宮台真司の「2」に関する発言には少々違和感が

宮台氏は、「2」が描く東京の戦争状況が現在の日本におけるキナ臭い時代の潮流を先取りしている、というような主旨のことを言っていたと思うのだが、それは違うと思う

「2」が描いた現代東京におけるテロ状況は、いかにして東京で現実の戦争状況を創出するか、というシミュレーションの形を取りながら、そうした状況下での現状の防御体制が法制的にも物量的にも指揮体系の上でも脆弱であることを示し、現行体制化における現実的な解決手段としては米軍の介入か、特車2課のように「独立愚連隊」的な行動部隊の登場を待つよりほかない、ということを指摘しているのだとわしは思う

つまり作品が先取りしているのは「キナ臭さ」などではない。「戦争でない」という状況に過ぎぬ「平和」に甘え続けることの危うさを93年の段階で描いてみせた、ということが「先取り」の本質だろうと思うのだ。この時期、中共を中心としたアジアの軍拡の現実に言及した作品なんて無かったし、その脅威を論じることはタブーに近かった。PKF派遣程度で左巻きのヒトビトがピーピーギャーギャー騒ぎ立てた時代である。作品はそれらの状況を描くだけでとくに回答は用意しない。しかしおそらく何十年も棚上げされてきた危機管理意識における問題を提示してみせたという意味で、非常に画期的な作品ではあったと思う

にしてもこの番組。今回ばかりは国生さゆりはいらなかったな。彼女が発言するたびにせっかく盛り上がった作品論が途端に初級編からやり直しになっちゃうんだもの。もっと突っ込んだ話が聞きたかったので、その点は残念

「柘植と南雲の関係は男の理想の恋愛だ」という意見には思わず納得。確かに、愛した女がいつまでも待っていてくれる、というのは男の願望がもたらす妄想に過ぎないよなあ。ま、そういうことは置いておいても、わしはあのラストの逮捕シーンでの2人が指を絡ませあう描写は、アニメーション映画でこうも艶めかしい男女の情愛を見せたシーンは無いのではないか、と思う

明日は「ハイジ」か。いよいよ高畑勲作品の登場。わし的には真打って感じなのだが、計算しつくされた演出技法に話が及ぶかどうかが見どころですな