カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

小島麻由美仙台公演レポート

風邪が落ち着いてきたので小島麻由美のライブレポートを書いてみた。出来の悪い感想文みたいになってしまったが、推敲するのは面倒なのでそのままコピペしてみる<<2004年10月23日仙台BEEBベースメントシアター>>

 整理番号10番台のチケットを手に意気揚々と会場へ。整理番号を客同士互いに確認しあって会場前の地下鉄入り口階段に整列。30分ほど待っての入場となった。ライブ会場はベースメントの名の通り、細い階段を下りた地下のフロア。ステージは6人というバンド構成を考えると必要最小限の広さ。スイッチングブースは会場後方に配置され、とくに別スペースは用意されていなかった

 会場入りすると、すでに最前中央の「小島前」は埋まっていたので、わしは当初の目論見どおりASA-CHANG、塚本氏サイド正面に陣取る。ここでうねるようなドラミングとカッティングギターを堪能しようという腹だ。しかし改めて会場を見渡すと実に狭い。そしてステージが近い。さらに低い。身長178センチのわしの膝くらいの高さにステージがある。ドラムセットまではほんの2メートルといったところか。あまりの至近距離に思わず「すげえ」と声を上げてしまった。会場全体の広さも入って150人というところか。ウルフルズが以前来た時に400人入ったのが過去最高ということだが、どこに400人も入ったのか想像もつかないほどこじんまりしたライブスペースだった

 開場から30分ほどしてステージ上にスモークが漂いだすと、ほどなくして客電が落ちメンバーがステージ上へ。しんがりに小島嬢が登場。少し大きめに胸元の開いた黒のカジュアルなワンピースドレス。ASA-CHANGのカウントで曲がスタート。オープニングは新アルバムから「もしも自由が欲しいなら」。意外にもスローなスタート。その後「スウィング#2」と新曲が続き、最初のMC。例によって「こんにちは小島麻由美です」。しょっぱなのトークは発生間も無い新潟地震の話。仙台ではほとんど揺れず、客席でも地震発生を知っていたのはごく少数だった模様。小島「さっき地震があったみたいですよ。震度6って言ってたかな?新潟だそうですよ」。客席から「ええ〜っ!?」という声。あわてて小島嬢「不安にさせてどうする?っていう、、、ねえ?」。すると小島嬢、ASA-CHANGの方を振り向き「ASA-CHANGの服、素敵ですね。それは『巡礼』の?」とまたまた唐突トーク。「そういえばCD出したんですよね」と言いマイクをそのままASA-CHANGに渡して中央へ戻る。急に振られて困った様子のASA-CHANGに客席から「頑張れ」の声。ASA-CHANG「ボクは全然がんばってるんですが、小島さんががんばらないから・・・」(客席爆笑)

 再び演奏開始。新アルバムからの曲を中心に数曲披露したのち小島嬢以外のメンバーは一旦退席。ステージ中央にキーボードが設置される。この準備の間、小島嬢はわしの目の前へ。もう10センチくらいの至近距離。歌っている間は顔も見れたのだが、顔を覗き込むと面と向かってしまうほど近かったのでろくに見られず、ただ立ち尽くして待つ。セッティングを急ぐスタッフを眺めながら小島嬢「そんなに本格的じゃなくていいのに」「もっとちょこっとした感じでよかったのに」などとのたまう。セッティングが終わりキーボードの前に座るもマイクがうまく固定されない。ずり下がるマイクに「微妙に動きますね」と一言。客席やや受け。ようやくセッティングが完了。弾き語り最初の曲は「面影」。シンプルなキーボードの演奏によく通るボーカルがかぶり、とても新鮮な印象。会場の音の抜けも良く、微妙な息遣いまで聞こえるほどの鮮明さ。ライブでこれほど歌自体を堪能できる機会はそうないだろう。曲が終わると「これは割と最近に出した『面影』という曲です」とまるで初めて聞かせるかのような曲紹介。さらにもう一曲「ぱぶろっく」を演奏。せつない歌詞とメロディーが素朴な演奏に良く合い、ゆったりとした時間が流れる

 2曲の弾き語りが終了し、キーボードの撤去作業。この際にもまた小島嬢はわしの目の前までやってきた。すっかり話題がなくなったと見え、MCに窮した小島嬢は客席に向かって「何か言いたいことはないですか?」などと言う。何かわしに向かって言ってるようにも思えたが気のせいだろうと思って流していたら、突然「こんにちは!」と言ってわしにマイクを向けるではないか!慌てて「こ、コンニチハ」とぎこちない挨拶を交わしてしまう。突然訪れたわしと小島嬢との邂逅(?)はこれにて終了。嗚呼後悔先に立たず。だが突拍子もないことを言って流れを損なうよりは良かったか、と自分を慰めることにする

 その後は大演奏会。ホーンセクションが無い分を補って余りある塚本功氏の怒涛のギターに、食いきれぬほどのオカズを散りばめたASA-CHANGのドラミング。二人の圧倒的な演奏を目前にしながら、ちらりと右を向けばそこに小島嬢が居る。「何とゼイタクな時間なのか」と何度となく思う。「蛇むすめ」のラストのパートなどは鬼気迫る演奏。フルートの国吉氏はじめ他のメンバーも煽られるように大演奏合戦に加わっていた。ふと小島嬢はどうしてるかと窺うと、ステージ前方でかがむようにしてその様子を楽しそうに見つめていた

 ライブも終盤に近づき、ラスト前の最後のMC。「仙台に来たのははじめて、ですよね?」(聞いてどうする)。「えーっと、え?」と詰まりながら少々意味不明な喋りがつづく。「いやだ、わかんなくなっちゃった」と言って塚本氏の方へ駆け寄る。「今度仙台に来ることがあったら、また会いたいですねって言いたかったんです」(客席拍手&歓声)。次の「さよなら夏の光」へ続くトークだったというわけ。ここでぽつりと一言「日本語勉強します」。「さよなら〜」から「ひまわり」へと続き、ラストの曲は定番「皆殺しのブルース」。演奏が終わるとバンドメンバーはそそくさと退場。小島嬢も小走りでステージ袖へ向かうが、去り際にわしの左隣のカップルが手を振ると手を振り返しつつ退場となった

 一縷の望みを持ってアンコールの拍手を送るも、すぐに客電がつき場内放送が冷酷に公演の終わりを告げる。結局最後までニューシングル「ブルーメロディ」の演奏はなし。デビュー当時の定番曲の多くが削られていたことに不満な向きもあったかもしれないが、わしにとってはそんなことは気にならなかった。クオリティの高い演奏を目の前で観られた、小島麻由美という稀なる才能を改めて目の当たりにした、それだけで十分。甘美と言うにはあまりにも贅沢すぎる至福の90分だった