カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

「みんなのいえ」

みんなのいえ [DVD]

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BSフジにて鑑賞。三谷幸喜脚本・監督、主演にココリコの田中直樹八木亜希子といういわば素人を起用した異色作。田中直樹演じる気弱な脚本家は三谷自身の投影だろうが、必要以上におどおどした雰囲気が実によく合っている。それにも増して八木亜希子のかわいい妻っぷりが良い。てきぱきとしていながら女性らしい柔らかさがあり、さらに社交的という、理想の妻像の一つを具現している

新居を建てることになった飯島夫妻。気鋭のインテリアデザイナー柳沢に設計を依頼。柳沢はアメリカンスタイルのコンセプトのもと、モダンでスタイリッシュな家をめざすが、施工を買って出た妻の父である大工の棟梁は頑丈・便利を旨とする昔気質の職人。二人は建築方針を巡ってことごとく衝突する。夫妻はなんとか二人をなだめようとするが、、、といったストーリー

次々と発生する家づくりを巡る問題の数々はそれなりに面白いのだが、前半はあまりにも身勝手な外野に対して無力な夫妻にイライラさせられることが多い。題材が割合身近なせいか問題にぶつかったときの各人物の過剰な反応が鼻につく。しかもそうした問題が矢継ぎ早に次々と起こるので、観ていて少々疲れてしまった。それらがすべてギャグであることは理解できるのだが、映画的な間や緩急のメリハリがほとんどなく、やけに忙しい作品になってしまっている。この辺りは三谷幸喜が舞台脚本家であることと無縁では無さそうだ

途中柳沢がショットバーで自分の仕事に頑なにこだわるバーテンダーを見るシーン。てっきりこれで柳沢が自分のこだわりの馬鹿馬鹿しさに気づき、プロとしての仕事に目覚めるのかと思っていたら、逆にアーティストとしての自分に再度目覚めてしまう、というくだりにはズッコケてしまった。正直この辺りではドタバタ劇にも食傷気味。このエピソードを挿入したことで無駄に尺が長くなってしまった印象が強い

とは言え、面白くないかと言えばそんなことはない。軽い気分で誰とでも見られる娯楽作には仕上がっている。エピソードの組み立ても多少クドイ面はあるもののさすがに巧み。願わくばもう少しコンパクトにまとめて欲しかったとは思うが、荒唐無稽を覚悟の上で、寝転んでポテチでもつまみながら観るのには向く映画だろう