「みんなのいえ」
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2002/01/25
- メディア: DVD
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新居を建てることになった飯島夫妻。気鋭のインテリアデザイナー柳沢に設計を依頼。柳沢はアメリカンスタイルのコンセプトのもと、モダンでスタイリッシュな家をめざすが、施工を買って出た妻の父である大工の棟梁は頑丈・便利を旨とする昔気質の職人。二人は建築方針を巡ってことごとく衝突する。夫妻はなんとか二人をなだめようとするが、、、といったストーリー
次々と発生する家づくりを巡る問題の数々はそれなりに面白いのだが、前半はあまりにも身勝手な外野に対して無力な夫妻にイライラさせられることが多い。題材が割合身近なせいか問題にぶつかったときの各人物の過剰な反応が鼻につく。しかもそうした問題が矢継ぎ早に次々と起こるので、観ていて少々疲れてしまった。それらがすべてギャグであることは理解できるのだが、映画的な間や緩急のメリハリがほとんどなく、やけに忙しい作品になってしまっている。この辺りは三谷幸喜が舞台脚本家であることと無縁では無さそうだ
途中柳沢がショットバーで自分の仕事に頑なにこだわるバーテンダーを見るシーン。てっきりこれで柳沢が自分のこだわりの馬鹿馬鹿しさに気づき、プロとしての仕事に目覚めるのかと思っていたら、逆にアーティストとしての自分に再度目覚めてしまう、というくだりにはズッコケてしまった。正直この辺りではドタバタ劇にも食傷気味。このエピソードを挿入したことで無駄に尺が長くなってしまった印象が強い
とは言え、面白くないかと言えばそんなことはない。軽い気分で誰とでも見られる娯楽作には仕上がっている。エピソードの組み立ても多少クドイ面はあるもののさすがに巧み。願わくばもう少しコンパクトにまとめて欲しかったとは思うが、荒唐無稽を覚悟の上で、寝転んでポテチでもつまみながら観るのには向く映画だろう