「ミスティック・リバー」
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2005/04/22
- メディア: DVD
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最大の見所は豪華な出演者の競演だろう。それぞれ心に傷を持つ幼なじみ3人をショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコンのいずれ劣らぬ名優が演じる。たぶんこの3人なら誰にどの役を与えても、それなりにこなしてしまうであろう芸達者揃いなのだが、であるからこそ余計この配役の妙に感心させられてしまう。この辺は名優イーストウッドならではの眼力というところか
脚本は事件解決のキーポイントになる通報記録の矛盾が、比較的早くわかってしまうところが惜しい。わしはケビン・ベーコン演じる刑事が現場検証をしている段階でそのこと(「her name」って言ってたよな〜)に気づいてしまった。物語そのものは例えそれがわかってもとくに問題なく進行するのだが、サスペンスとしての楽しみが早々に奪われてしまったのはいかにも残念なところだ
殺人の動機が弱いと見る向きもあろうが、むしろこの理不尽さこそアメリカの底辺に生きる人々の現実なのかもしれない。無論、作者イーストウッドのメッセージはそんなものではなく、ちょっとした「ボタンの掛け違い」が人生を分けることもある、というものではないかと思う。しかし、刑事となって貧民街から抜け出したショーンと、重い罪を背負いながら(十字架の刺青を見せる映像が秀逸)ゴミ溜めの中で生きるジミーとの対比がアメリカ社会の縮図を象徴的に描き出しているような感がする