カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

杉原千畝はなぜ外務省を辞めたのか

ちょっと気になったこのニュース。産経の記事がまとまっていてわかりやすかったので転載する
産経ニュース

 政府は24日、第2次大戦中、ナチス・ドイツに追われたユダヤ人難民に日本通過査証(ビザ)を発給、「日本のシンドラー」と呼ばれた元外交官の故杉原千畝氏に関し、「定説」だった外務省による懲戒処分を否定する答弁書閣議決定した。鈴木宗男衆院議員質問主意書に答えたもの。

 昭和15年に在リトアニアの領事代理だった杉原氏は、殺到するユダヤ人難民に独断でビザを大量発給。このため22年の帰国後、「訓令違反で解雇された」との説が定着していた。

 これについて答弁書は「保管文書で確認できる範囲では、懲戒処分が行われた事実はない」と強調。杉原氏は「22年6月7日に依願退職」したとしている。

 この問題をめぐっては、平成4年3月の衆院予算委員会で、渡辺美智雄外相(当時)が「杉原さんが訓令違反で処分されたという記録はどこにもない」と答弁していた。

 ただ、杉原氏の出身地の岐阜県八百津町では「外務省は、終戦後に職員の3分の1がリストラされ、たまたまその中に入っていただけだと説明するが、ロシア語に堪能で、情報通だった杉原氏を解雇するのはおかしい。何らかの処分があったのではないか」(産業振興課)としている。

この手の処分は末端の現場で行われるものではないし、実際に処分が行われたのなら何らかの形で書類なりの証拠が残っているのが当然。日本のお役所では現場の何らかの判断に対しそれぞれのセクションの責任者が書類に判を押し、さらに上位の責任者が判を押し、最終的には最高責任者の判がなければ決定されない。それがないのであれば、「懲戒処分が行われた事実はない」ということなのだろう

左巻きの連中は、どうしても「善意の人」杉原が「悪の」外務省に辞めさせられたということにしないと納得が行かないようなのだが、役所の決定というのはそう簡単に隠蔽できるものではない。まして人事決定のような透明性の高い事柄ならばなおのことだ

だいたいこの八百津町の話もおかしい。「ロシア語に堪能で、情報通だった杉原氏を解雇するのはおかしい」って、、、自主的な外交を行うことができない戦後の外務省で、ロシア語の話せる外交官がいったいどれだけ必要だったのか?「情報通だった」とするのも抽象的すぎる。その手の評価はあくまで同時期に外務省にいた外交官同士の比較に基づいて語られなければ何の意味もない。その上杉原は早大中退のノンキャリである。よって杉原の辞職は外務省の主張する「戦後のリストラの一環だった」というのは極めて妥当と言える。もしも、百歩譲ってそこに当時の現場責任者による多少の作為があったとしても、当然「懲戒」にはあたらない。このくらいは冷静に考えればわかりそうなもんだが

杉原氏の「善行」の評価を貶めようなどというつもりは当然だが毛頭無い。6000人ものユダヤ人を救ったという事実は、それがどのような意識に基づいて行われたのかとは一切関係なく、評価されてしかるべきものだと思う。だがそれならば、樋口季一郎少将や安江仙弘大佐も同様に評価されるべきだろう。口では「人間礼賛」を唱える左巻きの連中が、杉原のことは積極的に評価するくせに「軍人だから」という理由で樋口らの「善行」を無視する。そういう姑息さが気に入らない