カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

国家は謝罪しないもの

ロシアによる日本漁民殺害事件。「靖国問題」などというしょうもない反日ヒステリーがあっという間に吹っ飛ぶ事件が起きてしまった。拿捕は仕方ないところもあるのかもしれないが、漁民に発砲、殺害してしまったことに果たして理があるのか?ニュースを追ってみる

毎日新聞の記事より

 北方領土貝殻島付近の海域で16日未明、北海道根室市根室湾中部漁協所属のカニかご漁船「第31吉進(きっしん)丸」=坂下登船長(59)、4.9トン=が、ロシア国境警備庁の警備艇に銃撃され、乗組員4人のうち根室市千島町、甲板員、盛田光広さん(35)が頭を撃たれ死亡した。他にもけが人がいる模様。吉進丸は拿捕(だほ)され、国後島古釜布(ふるかまっぷ)港に正午前に入港。ロシア極東サハリン州の検察当局は、坂下船長らの取り調べを始めた。
(中略)
 ロシア側から在ユジノサハリンスク日本総領事館に入った連絡によると、午前3時45分ごろ、歯舞諸島の秋勇留(あきゆり)島付近(北緯43度24分3秒、東経145度50分27秒)で、ロシア警備艇水晶島方向に航行する吉進丸を発見。貝殻島根室半島納沙布岬間の「中間ライン」が設定されている水域で、警備艇が無線で呼び掛けたが回答がなく、ゴムボートを降ろして接近した。国旗がなく明かりもつけておらず、停船を求める信号弾を発射したが、船が危険な操船をしたため、船の前後とマスト方向に警告射撃をしたという。
 一方「ロシア警備艇が中間ラインを越えて日本側海域に回り込み、待ち伏せして銃撃した」との情報が、現場近くを航行していたロシアの水産物運搬船乗組員から、根室市の水産関係者に寄せられた。この乗組員は、レーダーと目視で吉進丸と警備艇の2隻の動向を追っていたという。
 北海道水産林務部によると、北方四島周辺では日露間で4種類の漁業協定が結ばれているが、カニかご漁の操業は認められていない。また、10日にロシア国境警備庁が道に対し「日本の漁船が頻繁に(中間ラインを)越境している」と口頭で連絡。道は根室支庁を通じて翌11日、各漁協に注意を促す文書を出していた。吉進丸が道の規則に違反した操業をしていたかどうかは不明という。

ロシア側の主張だけをみると、それなりに理があるようにも思われる。しかし、なんかおかしくないか?「警備艇が無線で呼び掛け」ても回答がなかったのに、なぜゴムボートを下ろしてしまったのだろう?その後「停船を求める信号弾を発射」したわけだから、この時点で吉進丸は停船していなかったということになる。相手が停船しないうちにゴムボートで接近するような危険な真似をするだろうか?ゴムボートで接近したのは銃撃を前提としていたからではないのか?

「ロシア警備艇が中間ラインを越えて日本側海域に回り込み、待ち伏せして銃撃した」との伝聞情報も気になる

続いて読売新聞より
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060816it03.htm

 吉進丸はカニかご漁の許可は得ているが、北海道海面漁業調整規則に基づく知事の承認を得たコンブ漁船ではないため、コンブ漁しか認められない貝殻島周辺には近づくことはできない。道では、吉進丸が同規則に違反した可能性が高いと見て、確認を急いでいる。

違反操業をしていたことはどうやら間違いなさそう。となれば、拿捕にもそれなりの正当性は認められそうだ。などと言うと「北方四島はもともと日本の領土」と主張したくもなるが、これについては麻生外相が代弁してくれたようだ
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060816it15.htm

 日本政府は16日、漁船拿捕事件について、外交ルートを通じてロシア政府に厳重に抗議し、〈1〉死亡した乗組員の遺体の速やかな引き渡し〈2〉他の乗組員、船体の即時解放〈3〉銃撃した人物の処罰――を求めた。しかし、ロシア側は、漁船がロシア領海を侵犯したとし、正当な対応だったと主張した。

 麻生外相は16日夕、ロシアのガルージン駐日臨時代理大使を外務省に呼び、「日本の領海内で起きた事件であり、容認できる話ではない。日本人の生命が失われたのはゆゆしき事態だ」として、謝罪と遺体の引き渡しなどを求めた。

 ガルージン氏は「ロシア当局としてこのような事件発生を望んでいなかった。人命が失われたことは大変残念だ」と述べる一方、「漁船がロシア領海を侵犯し、ロシア警備艇はロシアの法に基づき、その権限の中で行動した。漁船は停船命令にただちに応じず、逃げようとして危険な行動をした」と訴えた。

 これに対し、外相は「領土問題に対するわが国の立場から、説明は受け入れられない。いかなる理由があろうとも、銃撃によって人命を失わせることは正当化できない」と反論した。

ロシア(ソ連)がかの地を不法占拠していることは歴史の事実なので、この点についてはぜひともガンガンやりあってほしい

それは置いといて、毎日新聞より
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 ロシア警備艇に銃撃された吉進丸が、ロシア連邦保安庁サハリン沿岸国境警備局に「要注意船」としてマークされていたことが、ロシアの警備事情に詳しい北方領土在住者の話で分かった。銃撃が偶発的でない可能性も出てきた。

 根室市内の水産関係者がこの関係者から聞いた情報によると、国境警備局は、吉進丸が根室湾中部漁協の組合長の所有船であることを認識したうえで「以前から越境操業の常習犯としてマークしていた」という。

 坂下登組合長は、88年と94年にも拿捕されたことがあり、前組合長の漁船も96年に銃撃を受けている。関係者は「組合長の船には取り締まりの重点を置いていた」としている。【本間浩昭】

ここで気になってくるのが、先ほどの伝聞情報だ

「ロシア警備艇が中間ラインを越えて日本側海域に回り込み、待ち伏せして銃撃した」 

いずれも伝聞情報なので確証はまったくない。しかし
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060816i204.htm

 ロシア・サハリン州ユジノサハリンスク国境警備局のミハイル・シェフチェンコ局次長は16日、読売新聞の取材に対し、「国籍不明の船がロシア領海で停船命令に従わなかったので警告射撃を行った。日本漁船とみられるが、航行中に無灯火で標識も掲げていなかった」と発砲の理由を説明した。

先ほどの伝聞情報が事実であると仮定すると、ロシア側ははじめから発見した船が吉進丸であることを認識していたことになり、このロシア当局の主張は嘘ということになる。銃撃は「偶発的なもの」などではなかったのではないのか?との疑いが消えない

それでもロシアはこう主張する
http://www.asahi.com/national/update/0816/TKY200608160485.html

 ロシア外務省は16日、北方四島海域でカニかご漁船第31吉進丸がロシア国境警備局に銃撃、拿捕された事件をめぐり、死者が出たことについて「非常に残念」とする一方、「事件の責任は密漁者たちと、密漁を見逃す日本の当局の側にある」とする声明を出した。

国家間外交において「謝罪」はイコール「敗北」だ。おそらくロシアは今後も「死者に対する哀悼の意」は示しても「謝罪」はしないだろう。交渉ごとにおいて、どこかで相手の誠意に期待してしまう日本人的感覚は通用しない。こうしたある意味「冷徹」なやりとりの積み重ねが国家間外交というものなのだということをロシアの対応が教えてくれる

「謝罪」を引き出せなくてもよい。しかし日本政府は徹底的にこの事件を検証しなければならない。その上で「過失の事実」だけでも引き出すことができれば上等だろう

最後に面白い動画を
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