カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

あやしげな世界ランカー

今更だが、わしはボクシングが大好きだ。亀田兄弟のことは好きにはなれないが、ボクシングというスポーツに少しでも注目が集まるのなら、彼らの空騒ぎも決して悪いことばかりではないと思っている

一応ボクシング好きなので後楽園ホールにも何度か試合を見に行ったこともある。4回戦から世界レベルのボクサーまでどの程度のボクサーがどの程度のレベルでやっているのか、観ればだいたいわかるつもりだ。その点から言って亀田興毅、大毅は世界レベルのボクサーとは言い難い、というのがわしの見解。とは言え、普通なら世界に届かないレベルのボクサーでもマッチメイクの妙によって世界を獲ってしまう、というのはボクシングの世界ではよくある話だということもよく知っている

それを踏まえれば、まがりなりにも長男興毅は世界タイトルマッチのリングに上がり、一応世界レベルのボクサーと戦って「世界チャンピオン」の称号をつかんだのだから、文句を言っても仕方がない。チャンピオンになってしまったからには今後は強い相手の対戦を逃げることもできなくなるだろうし、少なくとも本人が目指す3階級制覇達成までには「本物の」王者と戦う必要も生じるだろうと思う。そこで勝てるかどうかはともかく、彼のボクサーとしての真の評価はそこでこそすれば良いと思う

しかし、ことが弟の大毅になると、少々事情が違ってくる。これまでの対戦相手はあまりにもあからさまな噛ませ犬ばかり。お世辞にもレベルが高いとは言い難いファイトで峠をとっくのとうに過ぎたロートルをKOし、あげくリングの上でうまくもない唄を歌う。「おまえはビューティーペアか!」。世界タイトルマッチの余興としてやるのならともかく、前座ボクサーの分際で「ショー化」の意味をあまりにもはき違えていると思う

亀田大毅の次の対戦相手はWBAライトフライ級4位のヴィッキー・タフミルというインドネシア人。戦績は35戦33勝(12KO)2分け無敗。ランキングと成績だけを見れば実力者であることは間違いなさそうだ。が、大毅のこれまでのウエイトは2階級上のスーパーフライ級。「無敗の世界ランカーに初めて土をつける」というのが亀田陣営の目論見のようだが、何故に2階級も下の選手を無理矢理引っ張り上げて試合をするのか?このタフミルの詳細な戦績を調べてみた
http://www.boxrec.com/boxer_display.php?boxer_id=108608
これによるとこれまでのタフミルはすべてインドネシア国内でのみ試合をしている完全な内弁慶ボクサー。年齢は亀田と試合する時点で32歳11カ月。軽量級としてはかなりのロートルだ。最近の試合は2006年に1試合、2005年は3試合。全35戦の対戦相手を見ていくと、名前すら不明な相手が2人。インドネシアライトフライ級チャンピオン獲得後であるにも関わらず、タフミルとの対戦がデビュー戦となる選手となんと8試合。などなど見れば見るほど何やら怪しげ

タフミルがWBAランキングに上るようになったのは2004年WBAパン・アジア王者になってから。そこから長く2位もしくは3位にランキングされているのだが、世界タイトル挑戦はおろか世界ランカーとすら対戦していない。ちなみにWBCのランキングは現在ライトフライ級の34位

で、結論から言うとこの試合、亀田は「最後まで立っていさえすればよい」という試合になるだろう。そうすれば判定勝ちがプレゼントされるという寸法。最悪でも「無敗の世界ランカーと互角に戦った」という実績は残る。その点相手は普段2階級下のウエイトで、しかもKO率3割程度のボクサー。がっちり守れば倒されることはない、という目算が立っているのだろう

しかし本当にこの程度の相手、こんなマッチメークで亀田自身は満足しているのだろうか?仕組んでいるのは大人達の側なのだろうが、これで自分の実力に疑問を抱かないとしたらただのバカだし、そんなことでは絶対に世界には手が届かない

「勝ち」という結果を積み重ねるのが目的ではあるまい?「強いボクサーになりたい」「世界一と認められたい」と願うのなら、こんなことで満足してはなるまい。ファンが求める物もまた「勝ち」という結果ではない。例え「勝ち」がいくら増えたところで、本物の「ファイト」を見せない限り、ボクシングファンには決して認められない