カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド

相方も観たいということだったのでワーナーマイカル北上にて鑑賞。2作目の「デッドマンズ・チェスト」も観ていたのだが、あまりにも繋ぎの要素が強すぎてそのときの感想は保留。今作で一応の完結ということなのでまとめてみる

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド (Blu-ray Disc)

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勇んで観に行ったものの、すっかり前作までのストーリーを忘れてしまっていることに途中で気づく。ジャック、ウィル、エリザベスの主要3キャラクターはさすがにわかるのだが、1作目のメイン悪役だったバルボッサとか2作目で落ちぶれてたジェームス・ノリントンとか、出てくるたびに「ハテ?あんたダレでしたっけ?」状態。観始めて数十分はその辺の相関関係やらストーリーを思い出すのに必死だったのだが、ジャック・スパロウの登場場面あたりまでくるともう細かいことはどうでもよくなってしまった

以下ネタばれあり
1作目、2作目に登場したキャラクター達を総出演させた上に、チョウ・ユンファ*1演じるサオ・フェンをはじめとする海賊の頭目たちといった濃いキャラクターが次々と登場し、それぞれに見せ場を作った結果「ずいぶんと長大な映画になってしまったなあ」というのが率直な印象。ふんだんに散りばめられた伏線やエピソードの数々がイマイチ消化不良のまま予定されたラストへ向かって怒涛のごとく突き進んでいく。その上、さんざん登場させたキャラクターを惜しげも無く殺しまくってヤマを作る。CGバリバリの画面作りはもちろんなのだが、シナリオの方も大量投入と大量消費という手法は良くも悪くもハリウッド的

細かいことを言い出すとキリがない。カリプソはティア・ダルマの肉体に封じ込められたという割に、解き放たれた際に巨大化するってどういうこと?とか、なんでカニになるん?とか、大艦隊があるのになんで一騎打ちしてんの?とか、エンデバー号はなんで無抵抗なの?etc.etc...。とは書いてみたものの、こういう映画はストーリーや出来事の整合性を追いかけてもしかたが無いので、画面や音声からダイレクトに伝わってくる雰囲気と勢いを素直に楽しんでしまえればOKなのだろう。が、わしはあまりにもサービス過多な造りにちょっとゲップが出そうになってしまった

そんな中でわしの個人的ハイライトはキース・リチャーズの出演場面。思ったいたよりもちゃんとした台詞もあって驚いてしまった。ギターまで弾いてるし。劇中で「大事なのは正気を保って生きることだ」ってなことを言ってたのだが、これってたぶんキース自身の言葉だよな

1作目から思っていたことだが、どうしても主人公二人(ウィルとエリザベス)のキャラクターが弱い。というよりはジャック・スパロウが強烈過ぎると言った方が正しいのだが、結局この映画自体がスパロウ=ジョニー・デップのキャラクターありきで構築されているので、話の本筋に最後まで重要性が見出せない。わしなんて、ラストまで来てようやく「あ、そういえばこの二人が主役なんだったわ」と思い出す有様。スパロウのキャラクターはこのシリーズ最大の魅力になっていると思うし、面白さの原動力と言っても良いと思うのだが、「物語なんてどうでもいい」と思わせることが作者の本意でない以上、脇役たるジャック・スパロウのキャラクターがすべてを食ってしまったことは、やはり「失敗」なのだと言わざるを得ない気がする

とまあ、いろいろ書いてはみたが、純然たるスラップスティックとしてはこんなもんで良いのではないかい?という気もする。今作の場合、完全な「デッドマンズ・チェスト」との前後編的造りになっているので、あまりにも尺が長すぎるのが難点と言えば難点。もうちょっとエピソードを整理して単純明快な作品に仕上げることもできたろうに、と思うのだが、それは欲張りというものだろうか?

*1:武藤敬司に見えて仕方なかったんですが、、、