カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

教科書問題。問題を整理せよ

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071003dde001010006000c.html

沖縄戦の住民集団自決で「日本軍の強制があった」とする記述が教科書検定で削除された問題で、沖縄県仲井真弘多知事は3日午前、東京都千代田区の文部科学省を訪れ、渡海紀三朗文科相と会談した。仲井真知事は強制の記述削除を求めた検定意見の撤回と記述の復活を求める要請書を提出した。検定問題で、文科相が同県関係者と会うのは初めて。

 会談の終了後、仲井真知事は記者団に「戦争のキズが癒えていない(沖縄県の)デリケートな部分をくみ取る(政府の)姿勢は高く評価したい。きちんと解決に向けてまとめていただきたい」と述べた。

 この日、仲井真知事は、先月29日に約11万人(主催者発表)が集まった県民大会で、実行委員会委員長を務めた仲里利信・県議会議長、同副委員長の小渡ハル子・県婦人連合会会長らとともに渡海文科相と会談した。

 冒頭、仲里県議会議長が「(集団自決は)日本軍の関与なしに起こり得なかったことは事実であり、体験者による証言を否定し歪曲(わいきょく)しようとするものだ。国内唯一の地上戦を体験した県民にとってもとうてい容認できない」と県民大会の決議文を読み上げた。これに対し、渡海文科相は「超党派で来られた意義は重く受け止めたい。みなさんの気持ちを反映させることが可能にならないかという思いです」などと答えた。【高山純二】

アホくさいのであまり書きたくなかったのだが、あまりに短絡的な着地点に向かっている感があるので触れる

わしが言いたいのは「問題を整理すべし」ということ。まず基本として「軍の関与」と「軍人の関与」では問題が根本的に異なる。日本軍という国家に属する組織自体に責任を問えるような問題なのか否か?ここが精査されねばならない。「関与」という表記が「命令」を含むものなのかどうかという問題もある

もともと仲井真知事ほかの人々が「削除」と表現する教科書記述の変更は、集団自決の「軍命」説に、それを覆す新証言が出てきたことで為されたのではなかったか?

「Aという証言もあるが、Bとする反証もある」という場合に、Aだけを採用するのはマズイから削除しました。これの何が問題なのか?事実認定の疑われる事柄をそのまま記述してしまったら、それこそ歴史の「真実」から離れるだけのことだ

ではもっと具体的に、どう書き換えられたのか?これを見てみる

まず三省堂の検定前

さらに日本軍に「集団自決」を強いられたり、戦闘の邪魔になるとか、スパイ容疑をかけられて殺害された人も多く、沖縄戦は悲惨をきわめた。

これが検定後になると

追いつめられて「集団自決」した人や、戦闘の邪魔になるとか、スパイ容疑を理由に殺害された人も多く、沖縄戦は悲惨をきわめた。

これはまあわかる。ちょっとボヤかし過ぎかな

次に山川出版の検定前

島の南部では両軍の死闘に巻き込まれて住民多数が死んだが、日本軍によって壕を追い出され、あるいは集団自決に追い込まれた住民もあった。

検定後では

島の南部では両軍の死闘に巻き込まれて住民多数が死んだが、そのなかには日本軍に壕を追い出されたり、自決した住民もいた。

これだって本来は「日本軍」ではなく、例えば「日本兵に」とする方がより正確じゃろが

東京書籍の検定前

沖縄県民の犠牲者は、戦争終結前後の餓死やマラリアなどによる死者を加えると、15万人をこえた。そのなかには、日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民や集団で「自決」を強いられたものもあった。

検定後

沖縄県民の犠牲者は、戦争終結前後の餓死やマラリアなどによる死者を加えると、15万人をこえた。そのなかには、「集団自決」においこまれたり、日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民もあった。

基本的に山川出版と同じだね

結局「断定的な表現を避けた」だけの話。歴史に対する態度としてその方が誠実だろうが。むしろ検定後の内容には、なんとかして日本軍の組織的関与を匂わす記述を残そう、という執念すら感じられるんだが。だいたいこの検定結果をもって、どこが「一方の主張だけをとりあげた」と言えるのか?

「この事実を伝えたい!」と本気で沖縄県民(?)が思っているのなら、自分たちで伝える努力をすればええやん。プロ市民の扇動に乗って政治運動化すんなよ。衆愚政治ここに極まれりと笑われるのがオチだぞ