RD-A301、TSE変換の所感
前の画質比較レポでは書かなかったTSE変換を試してみた際の所感を
わしの録画保存の対象は主にWOWOWの映画。最近の映画は2時間を超えるものがほとんどなので、正直DVD-R DLでのTSE保存は厳しいかと思っていた。が、前述の「ホリデイ」でLP(6.8Mbps)くらいまでなら(個人的には)許容範囲ということを確認できた。他社機種との比較で言うと、パナソニックのBDレコーダーを店頭で試したとき*1に感じた輪郭のジャギーとジラジラとしたモスキートノイズを東芝機はボカシて押さえ込んだ印象。確かに同一レートならパナ機の方が精細感はあるが、長時間凝視していると少々眼が疲れるタイプの絵と感じた。その点ソニー機はそこそこバランスの良い絵であったと思う
「高画質のフルHDプロジェクターでしか観ない」とか「少しでも画質劣化は許せない」という人には不満も出ようが、個人的には10Mbpsを超えるレートでなら通常のテレビ視聴ではほぼ問題ない画質だと思う。圧縮時の画質の傾向としては7−10Mbps程度に圧縮をかけるとやや色の濃度が落ち、白っぽくなったように感じる。そこからさらにレートを落とすと色合い的には逆にTSに迫るのだが、彩度が数段落ちたように感じる。これは色乗りそのものより画面全体がノイジーになったため、そう感じるのかもしれない
よく言われるブロックノイズはLP(6.8Mbps)程度ではそれほど頻繁に出るわけではない。30秒ほど録画した動画を複数用意して変換、検証してみた限りでは、6Mbps以下くらいから目立つようになる。ノイズの出方は一定せず、人物が画面内を疾走するような見た目に動きの早い場面でもまったく出ないこともあれば、ちょっと人物が顔を動かすだけでも動きに合わせてパラッと乗る場合もある。このあたりはソフトウェアのチューンでも多少は解決できそうな気がするが、圧縮レートが一定である以上あとは絵作りの方向性の問題。ノイズを減らそうと思えばさらにボカすしかないし、精細感を出すにはエッジを立ててノイズには目をつぶる、ということになろう
画質のことばかり書いてきたが、RD-A301が他社製品と大きく異なる点としてAACマルチチャンネルの音声を無圧縮でそのまま記録できることが挙げられる。パナ機、ソニー機ともAVC圧縮をかけると音声が強制的にドルビーデジタルに変換されてしまう。この点RD-A301はどんなに低レートに変換しても音声はそのまま記録できるので、多少画質を犠牲にしても音楽番組をオリジナルの音質で、しかも安価なDVD-Rに録画したいなどという場合には現状RD-A301しか選択肢がない
たった数日試しただけだが、RD-A301のTSEにはさまざまな利点、活用法があることがわかった。これはホントわしにとっては満足度の高い機体ですよ
*1:最低レートのHEモード