カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

「強制」だが「横暴」とは言い難い

今朝のワイドショーを賑わせていた話題
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090125-OYT1T00396.htm

 昨年10月の廃業後も、元従業員らが自主営業を続けていた東京・JR品川駅前の老舗ホテル「京品ホテル」(清算中)を巡り、東京地裁は25日、元従業員らを立ち退かせる強制執行をした。

 元従業員側と警察官らがもみ合いとなり、怒号や悲鳴が飛び交うなどホテル周辺は一時騒然となった。

 この問題では、同ホテルの経営会社「京品実業」(東京)が、元従業員らが所属し、自主営業を支援する労働組合東京ユニオン」にホテルの明け渡しを求める仮処分を同地裁に申し立て、同地裁が15日、明け渡しを命じる決定をしていた。

 同労組によると、25日午前7時ごろ、同地裁の執行官が訪れ自主的に立ち退くよう求めたが、話し合いは決裂。同9時過ぎから強制執行が始まると、ホテルの周囲に陣取った元従業員や同労組の組合員ら約300人と、警視庁の機動隊員ら約200人が激しいもみ合いとなった。強制排除は1時間ほどで終了したが、その間、「痛い」「助けて」という叫び声が飛び交った。東京消防庁などによると、支援者1人が軽いけがを負い、病院に搬送された。

 ホテルで33年働いた元総支配人の富田哲弘さん(58)は「何とかホテルを存続させたいと思い、自主営業を続けてきたので悔しくてならない。経営者とまだ話し合う余地はあった」と無念そうに話した。元従業員らは今後も解雇の撤回を求めていくという。

 同ホテルは1871年の創業。仮処分申立書などによると、京品実業は米証券会社リーマン・ブラザーズ(昨年9月に破綻(はたん))系列の金融会社に対して約60億円の負債があり、ホテルを売却して返済にあてるため廃業と従業員約130人の解雇を決めた。これに対し、従業員らは「ホテルの営業は順調で廃業の理由はない」として自主営業を続けていた。

 京品実業小林誠・代表清算人の話「重大な事態を引き起こすことなく、占有が回復されたことに安堵(あんど)している」

心情的には元従業員の方々には同情を禁じ得ない。だが残念ながら東京地裁の判断はそこそこ妥当なものだし、排除も仕方がないと思う。マスコミの論調は「強制」という言葉の語感を強調して、法権力の横暴が為されたかのように誘導したいらしいが、それはまったくの間違いというものだ

結局この話、経営者側が従業員に対していかに雇用責任を果たすかという経営倫理の問題だろう。従業員の今後に配慮した売却体制をとっていれば何の問題もなかったのだろうが、負債額の大きさから見てホテルをそのまま売却するより、更地にするなりして売却した方が有利と判断したのだろう。経営判断としてはわかるが、やり方があまりに性急かつ傲慢に過ぎたというところか。ホテルと従業員の質を評価して正当な対価を払ってくれる買い手が出現すれば、最悪の事態を回避することもできたかもしれないが、このご時勢では難しかったのかもしれない

元従業員側のやり方にも問題があるとわしは思う。「自主営業」と言えば聞こえはいいが、要は他人の土地建物で勝手に商売をやっているわけで正当な権利に基づく行動とは言い難い。これが法的に排除されたのは仕方が無いとも言える。もっと違う形で、あくまでも経営者に対して異議を申し立てれば良かったのではないのか?無論いろいろな事情はあったのかもしれないが、これでは強制執行に正当性を与えたのは元従業員側の姿勢と言えなくも無い

見ていて心配になってしまったのは、こういう労働闘争にプロ市民が介入して政治活動の材料にされてしまうこと。事実今回の行動には東京ユニオンが関与しているし、強制執行時の元従業員側の中には現役社民党議員の顔もあったとか

いずれにしても「強制」という言葉に惑わされて警察や裁判所に批判の矛先を向けるのはお門違いというものだ。これだけは強調しておきたい