カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

相方と息子を義父母の家に預けて帰宅した後、WOWOWでやっていたので鑑賞

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー [DVD]

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酒と女が大好物の米下院議員チャーリー・ウィルソンは反共産主義者で大富豪のジョアンからパキスタンに行きを薦められる。現地に赴いたチャーリーはそこでソ連軍の攻撃から逃れてきた大量のアフガニスタン難民たちの姿を目の当たりにする。衝撃を受けたチャーリーはCIA局員のガストらと共に最新兵器のアフガニスタンへの横流しを画策する、、、といったストーリー

軽いタッチで描いてはいるものの、冷戦下の80年代、ソ連南下に抗するアフガニスタンのゲリラをアメリカが水面下で支援していたという実話に基づく内容になっている。ただそれが「一人の米下院議員の善意に基づく英雄的行動によって為された」とする流れになっており、徹底的に「共産ソ連は悪で自由のアメリカが善」という単純構造を前提としている点は、眉に唾したくなってしまった

「冷酷で残虐な共産主義者ども」の野望をアメリカの「正義」が打ち破っていくさまにアメリカ人は無邪気に喝采を送ってしまうのかもしれないが、アメリカ人以外は「そんなに単純な話かYO!」とツッこんでしまうことだろう。そういう構造が見えてしまうと途端に映画の中の出来事が空々しく感じられて、結局すべてがアメリカの行動の正当化のために描かれているに過ぎないのではないかと考えてしまい、楽しめない

無論映画もすべてを礼賛したままというわけではない。対ソ連のためのアフガン支援とその後の無策があの「9.11」に繋がった、という含みを残して映画は終了する。最終的にこの映画が言いたかったのは「アメリカは正しかった。しかし最後の一手を誤った」ということなのだろう。これはいったい何に向けられたメッセージなのか?「アメリカの正義」に疑いを持ち始めたアメリカ国民に対して、というのはたぶん正しい。しかしわしが思ったのは「これってマイケル・ムーアへの反論なんじゃねえの?」ということ

マイケル・ムーアは「華氏911」の中で、ブッシュ家とサウジ王家との関係を暴くことによりブッシュ政権の掲げる「正義」への疑義を呈した。しかしこの「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」に大統領は登場しない。「知られざるアメリカの良心」を映画の中心に据え、その「正義」をまるで当て付けのように呈示する。アフガンの悲劇はその言わば「だし」である、、、そう見えて仕方なかったのだが、これもわしの反米フィルターのせいじゃろうか?w