チャーリー・ウィルソンズ・ウォー
相方と息子を義父母の家に預けて帰宅した後、WOWOWでやっていたので鑑賞
- 出版社/メーカー: UPJ/ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2008/10/24
- メディア: DVD
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軽いタッチで描いてはいるものの、冷戦下の80年代、ソ連南下に抗するアフガニスタンのゲリラをアメリカが水面下で支援していたという実話に基づく内容になっている。ただそれが「一人の米下院議員の善意に基づく英雄的行動によって為された」とする流れになっており、徹底的に「共産ソ連は悪で自由のアメリカが善」という単純構造を前提としている点は、眉に唾したくなってしまった
「冷酷で残虐な共産主義者ども」の野望をアメリカの「正義」が打ち破っていくさまにアメリカ人は無邪気に喝采を送ってしまうのかもしれないが、アメリカ人以外は「そんなに単純な話かYO!」とツッこんでしまうことだろう。そういう構造が見えてしまうと途端に映画の中の出来事が空々しく感じられて、結局すべてがアメリカの行動の正当化のために描かれているに過ぎないのではないかと考えてしまい、楽しめない
無論映画もすべてを礼賛したままというわけではない。対ソ連のためのアフガン支援とその後の無策があの「9.11」に繋がった、という含みを残して映画は終了する。最終的にこの映画が言いたかったのは「アメリカは正しかった。しかし最後の一手を誤った」ということなのだろう。これはいったい何に向けられたメッセージなのか?「アメリカの正義」に疑いを持ち始めたアメリカ国民に対して、というのはたぶん正しい。しかしわしが思ったのは「これってマイケル・ムーアへの反論なんじゃねえの?」ということ
マイケル・ムーアは「華氏911」の中で、ブッシュ家とサウジ王家との関係を暴くことによりブッシュ政権の掲げる「正義」への疑義を呈した。しかしこの「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」に大統領は登場しない。「知られざるアメリカの良心」を映画の中心に据え、その「正義」をまるで当て付けのように呈示する。アフガンの悲劇はその言わば「だし」である、、、そう見えて仕方なかったのだが、これもわしの反米フィルターのせいじゃろうか?w