八ッ場ダム建設中止は民意なのか?
民主党政権が「公約に掲げた」という一点だけで建設中止しようとしている八ッ場ダムの問題。選挙に勝てばそれが「民意」という理屈は議会制民主主義国家なのだから致し方ない部分もあるが、マスメディアがなぜか報じようとしないため、多くの国民が知らないままになっている事実がある
八ッ場ダムの建設現場となる群馬県吾妻郡長野原町は衆院選小選挙区では群馬5区にあたるのだが、先の衆院選における当該選挙区の開票結果は以下のとおり(群馬4、5区衆議院小選挙区選出議員選挙開票調べ)
群馬5区(有効投票数215,162)
おぶち優子(自由民主党)152,708
つちや富久(社会民主党)53,048
生方秀幸(幸福実現党) 9,406
民主党は候補者を立ててすらいないのだ
さらに言うと後に連立相手となった社民党候補は推薦も支持もされていない
これは「八ッ場ダム建設中止は地元住民に支持されていない」という批判を回避するためとしか考えられない。ちなみに小渕優子議員は先日発足した八ッ場ダム推進吾妻住民協議会の発起人に名を連ねているそうだ*1
では長野原町および吾妻郡の比例区の得票数はどうだったのか。細かい数字を見てみた(党派別得票数)
党派別で見ても地元住民の「民意」は民主党を支持していない。つまり民主党政権の理屈を借りれば、八ッ場ダム建設中止は支持されていないということになる
無論これだけを根拠に「建設中止は不当」などと断言することはできないし、そのつもりもない。しかし民主党が先の選挙で行った姑息な工作とそれをひた隠しにするマスメディアの偏向ぶりはいくら非難してもやり過ぎということはあるまい
それにしても前原はなぜこんな損な役回りに就かされてしまったのか。ひょっとすると小沢一郎は前原の党内での発言力と求心力を殺ごうとしているのではないのか?顔をひきつらせながら「マニフェストの通り」とカメラの前でうわ言のように繰り返す前原を見ていると、ついそんなふうに勘ぐりたくなる
ポチッとな
*1:まあ当人は臨月だそうなのでなかなか行動に出られないようだが、、、