カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

いかがわしき貧困家庭報道

生活保護母子加算復活の話に絡めて、最近よく目にするのがテレビや新聞の生活保護世帯ドキュメントの類。もちろんそれらの放映あるいは掲載の意図は貧困世帯の窮状を訴えることにあるのだが、注意深く見ていると「これって逆効果になってしまっているのでは?」と思ってしまうようなものも少なくない
母子加算:「修学旅行に行ける」…復活に胸なで下ろす - 毎日jp(毎日新聞)

 「やっと戻るんですねえ」。体調を崩したのをきっかけに3年半前から生活保護を受給する札幌市の菊地繭美さん(46)は、ほっとした様子。07年4月、息子の高校入学と同時に月額約2万3000円の母子加算が打ち切られた。入浴回数を減らしたり、衣服も数カ月に1度しか買ってやれなくなった。

 「廃止は生存権を侵害する」として、自治体を相手取って提訴。今年4月以降、母子加算復活を目指す民主党の会合にも参加し、窮状を訴え続けた。「復活したら、息子とおすしを食べたい。ずっと食費も削ってきたから」と話すものの、息子が来年3月に高校を卒業すれば、母子加算の対象から外れる。

 東京都足立区の女性(50)は「高校1年の息子が来春の修学旅行に行ける」。月額2万3000円の母子加算が削られた後は、食事の回数やおかずを減らし、「食べ盛りの息子が食べない私に遠慮するのがつらかった」。20代から病気を患い、フルタイムの仕事は難しいが、来春早々にある息子の修学旅行の積立金も確実に捻出(ねんしゅつ)できそうだ。

 女性の息子は高校卒業後、1人暮らしをする可能性もあるといい、「自立のための準備のお金が全くなかったが、復活で最低限の蓄えができるかもしれない」と期待する。

こういう記事を読んでしまうと「良かったねえ」と涙してしまう純粋な御仁も少なくないだろう。しかしこれは上手に誘導した事例。と言っても具体的な数字が示されないと実感としてどうなのかがさっぱりわからない。そこで生活実態の詳細に切り込もうとした結果、おかしなことになってしまったのが次の事例

中日新聞:母子加算復活 違和感残る予算論議:北陸発:北陸中日新聞から(CHUNICHI Web)

 「とにかくうれしいです」。金沢市佐藤洋子さん(45)=仮名=は、年内の母子加算復活が決まり、安心した表情を見せた。

 毎月、生活保護費など約二十四万円で暮らす。育ち盛りの小中学生の娘三人との四人家族で、五万円弱の食費は増える一方だ。支給日前の夕食は、具がモヤシだけのお好み焼きやふりかけご飯でしのぐこともある。「ごめん、もうお金ないから」「いいよ」。素直に納得してくれる娘たちには感謝している。

 節約できるのは洋服代ぐらい。今年四月に中学校に入学した次女(12)には、体操服を一枚しか買ってやれなかった。「これでもう一枚買えます」

 母子加算の復活に伴い、代替措置の「ひとり親世帯就労促進費」は廃止が決まった。所得に応じて月額最大一万円を支給し、就労による自立を支援する制度だ。九月に仕事が始まり、十一月分から受け取る予定だった佐藤さんは、「一万円がなくなるのは大きい」と残念そうに話した。

 一方で、参考書の購入などに使える「学習支援費」は継続される見込みに。三人分で約九千四百円と少ない額ではなく、「もしなくなったら、生活費に食い込んでいた」と胸をなで下ろした。

 当初「十月にも」としていた母子加算の復活時期は十二月までずれ込み、代替措置の扱いが継続と廃止に分かれた。要求額が過去最大に膨らんだ来年度予算の編成をにらんだ財務省厚生労働省が“綱引き”した結果だ。「学習支援費は教育のためのお金で、母子加算とは趣旨が違う。まず、受ける側に何が必要かを考えてほしい」。当事者よりも予算ありきの議論に、違和感を隠さない。

 母子加算では子ども一人に約二万円が支給されるが、二人目以降の上乗せ分は千円ほど。「子どもが三人いれば、お金も三人分かかるのに」。復活自体は喜ぶものの、仕組みには釈然としない部分も残る。

 「母子家庭のみ」という条件にも疑問がある。「大変なのは父子家庭も一緒では」。この機会に「ひとり親加算にした方がいい」と提案する。

そんな佐藤さんの一ヶ月の出費はこちら

まず中日新聞の記者にツッコミたいのだが、これを見て普通の人が「わあ、これは大変だあ」と思うような項目が一つでもあるだろうか?どれもこれも4人家族の生活費としては普通の金額だし、賢い主婦には「1台あたり8000円以上もかかってる携帯代くらい節約せいよ!」とツッコまれるのが関の山だと思うのだが、校閲段階でも何とも思わなかったのだろうか?おおかた家計を全部カミさん任せにしている連中ばかりだから金銭感覚がおかしくなってるんだろうが、正直その感覚が一番の驚きだよ
で、今度は佐藤さんにツッコミ

支給日前の夕食は、具がモヤシだけのお好み焼きやふりかけご飯でしのぐこともある

まず献立に計画性を

それと素朴な疑問なのだが、石川県金沢市で6万5千円の賃貸アパートってどのくらいのレベルなのだろう。わしの住む岩手県だと6万5千円の家賃というのは結構高い部類に入ると思うのだが、金沢市は住宅事情があまりよくないのだろうか?というわけでヤホーではなくてYahoo!不動産で調べてみた

ここは築8年、付帯設備=エアコン、給湯、バルコニー、バス・トイレ独立、洗濯機置き場、洗面所、ケーブルテレビ、追いだき機能、ガスコンロ可、シャンプードレッサー、温水洗浄便座、モニター付きインターホン、対面キッチン、駐車場2台、トランクルームの物件
なんかすんげえ立派なんすけど。収納も多いし、便利そうな間取り。しかもこの物件、小学校まで160m、ファミマまで160m。マジでわしが住みたいくらいなんだけど
マジメに働いている人がこういうところに住んでいるのなら何の文句もないが、不労世帯がこんなところに?それはちょっとヒドくない?正直うちよりずっと条件良いんだがw
あ、でももしかして中心街から遠いので住みにくいのかも。ってことで金沢駅ほど近くの物件で見てみた


こちら築11年、金沢駅まで徒歩13分、付帯設備=エアコン、給湯、バルコニー、バス・トイレ独立、洗濯機置き場、シャワー、BS端子、シャンプードレッサー、風呂の物件
ほえー。ここ占有面積60.53平米だって。広っ!
金沢って住宅事情に恵まれてんのね。そういえば北陸は持ち家率が高いと聞いたことがあるので、賃貸もそんな強気の家賃設定はできないのかも
まあ4人家族だからこれくらいのところに住まないとキツイかも、という事情はわかるが、これが生活困窮世帯の住宅だと言われるととても違和感をおぼえるのはわしだけだろうか?
しかもこの家族の手取り収入は24万円。ここに更に母子加算がされるわけだから、いくら子どもにお金がかかると言っても十分な金額だと思うのだけど。これで「貧困」なら、普通のサラリーマン一家の過半は「貧困」ってことになりそうな気が、、、

ここまでは新聞の事例。これがテレビになるとさらにツッコミどころがいっぱい。詳しくはたまねぎ通信さんを参照していただくとして、わしは演出のおかしなところに焦点を絞ってみる


上はジャムを塗ったパン一個を与え「飲み物は?」と聞いて子供が「いらない」と答えている図。下はカップ麺のみのわびしい食卓の図。日常的にずっとこうなら「かわいそう」という図式も成り立つが、一番お金のない時期の図だとすれば、子供を利用した過剰な貧困アピールとしか受け取りようがない

これもよくあるパターン。預金通帳の残高。生活保護受給世帯の人は、当局に「蓄えがある」と判断されるとマズイので支給後即座に全額口座から引き落とすのが普通。だから預金が無いのは当たり前。上に引き出す前の預金残高がちょっぴり見えている。要するにこの数字は金利の端数だろうが
もしも本気でこの世帯に金が無いことをアピールしたいのならタンスの中まで見せるべきだろう

この手の報道は万事この調子なのだ。生活保護拡充という結論ありきの恣意的演出のオンパレード。これではマトモな神経を持つ人ならドン引きだろう

こういう取材をする連中や取材を受ける人(運動家)に言いたいのは「まず前提が違うだろ?」ってこと。生活保護ってのは必要最低限の生活を送ることができない人のためにある制度のはずだ。なのに母子加算復活でやれ「寿司が食える」だの「食費に余裕ができる」だの「おもちゃを買ってあげられる」だのetc.etc.、、、おかしいだろうが。生活に余裕を与えるための加算では無いはずだろ?なぜそれを問わん

止むを得ぬ事情で困窮する人を政府が救うのは当然だし、そこまでとやかく言うつもりはない。しかし、ただ甘えているだけとおぼしき輩にまで、過剰なまでの手厚い救済の手を差しのべれば、彼らはぬるま湯の生活に満足し、その生活から抜け出す努力を放棄してしまうことになるだろう

そんな権利だけを主張して義務を果たさずとも生きていける親の姿を見て育つ子供たちはどうなってしまうのだろう

もう父ちゃん情けなくって涙が出てくらあ((c)あばれはっちゃく
こんな悲しいことを言う子供を増やすようなことには絶対にしたくないよ、わしは
ポチッとな