カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

ロスト・イン・ラ・マンチャ

今日は日曜出勤の代休だったので、録画しておいたロスト・イン・ラ・マンチャを観る

ロスト・イン・ラ・マンチャ [DVD]

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鬼才テリー・ギリアム監督が「ドン・キホーテ」の映画化に挑み、頓挫するまでを記録したドキュメンタリー映画。ギリアム作品のファンであるわしとしては彼の創作の秘密を知る上でも非常に興味深い作品だった

莫大な制作費をかけ、それでも資金不足と戦いながらスタッフは映画の製作に入っていくのだが、俳優の日程調整の不備に始まり、ロケ地では上空を戦闘機が飛びまわり、ようやく撮影条件が整ったと思ったら雷雨に見舞われ、使用を予定していたスタジオは音響が最悪、挙句の果てに主演のジャン・ロシュフォールが体調を崩してフランスに帰ってしまうという有様。あまりにも立て続けに不運が襲い掛かるので、一瞬冗談でやってるのかと思ってしまうほど

ギリアム監督の創作意欲は強く、次々に湧き出るアイデアの数々には思わず心躍らされてしまった。しかし終盤になると明らかにスタッフの意欲が失われ、諦観が漂い、監督自身も捨て鉢になっていくため、テンションがガタ落ち。映画の性格上仕方がないのだが、このグダグダ加減は正直よっぽどの映画ファン以外は鑑賞には堪えないだろう

このフィルムでは、映画「ドン・キホーテ」の全貌はまったく見えてこない。しかし作品中に登場するセットやカメラテストの様子、絵コンテなどは作品の出来を期待させるには十分。この作品自体を「ドン・キホーテ」の壮大な予告編だと思って観るといやがうえにも映画への期待が高まってくる

フィルムの最後には保険会社から、監督が脚本を買い戻す計画、というクレジットが流れる。しかし今現在この映画を撮影しているという話は聞かない。その辺のところ詳しいことはわからないのだが、もしも完成したら、ギリアム版「ドン・キホーテ」がどんな映画に仕上がったのか。ぜひとも一日も早く自分の目で確かめたい、という気にさせられた