「ボウリング・フォー・コロンバイン」
WOWOWで鑑賞
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2003/08/27
- メディア: DVD
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一番のお気に入りは、「アメリカの歴史の時間」。一方的な殺戮と侵略を繰り返し成り立ってきたアメリカの建国史を、彼らのアイデンテティーを根幹から揺るがしかねないほど「正直に」描いている
ルイ=アームストロングの「What a wonderful world」をバックに挿入される、近年アメリカが関わった戦争や紛争の数々も印象深い。アメリカの援助で育て上げた海外の武装組織や軍事勢力をアメリカ自身が叩き潰していく、というパターンの繰り返しは見ていて背筋が寒くなるほどだ
オリバー=ストーンの映画などでも描かれているが、アメリカという国は常に戦争を引き起こすことで成り立っているらしい。平和を望んでも、国家戦略がそれを許さない。軍事費を削減し、ベトナムから撤兵しようとしたケネディは殺された。アメリカにとっての対外戦争は、国内の不満の目をそらし、軍事産業を育てることで経済を活性化し、勝利によって国家の威信を示すことすらできる、といういいことづくめの「政策」なのだということがこの映画からもよくわかる。銃社会の問題は「力こそすべて」「力を持つことは権利」というアメリカの国家理念の反映と読み取れる
しかし、これだけ重いテーマを持ちながら、笑いやユーモアで引き込み、一気に見せる演出力がすごい。未見の方はぜひ一見あれ