カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

「ボウリング・フォー・コロンバイン」

WOWOWで鑑賞

一言で言って「おもしろい!」。これを今まで見ずにいたのは大失敗だった。深く反省。ドキュメンタリーということで、何か小難しくなりそうな印象を持っていたのだが、さにあらず。現代アメリカが抱える銃社会の病理を、これでもかとばかりに面白おかしく描き出している

一番のお気に入りは、「アメリカの歴史の時間」。一方的な殺戮と侵略を繰り返し成り立ってきたアメリカの建国史を、彼らのアイデンテティーを根幹から揺るがしかねないほど「正直に」描いている

ルイ=アームストロングの「What a wonderful world」をバックに挿入される、近年アメリカが関わった戦争や紛争の数々も印象深い。アメリカの援助で育て上げた海外の武装組織や軍事勢力をアメリカ自身が叩き潰していく、というパターンの繰り返しは見ていて背筋が寒くなるほどだ

オリバー=ストーンの映画などでも描かれているが、アメリカという国は常に戦争を引き起こすことで成り立っているらしい。平和を望んでも、国家戦略がそれを許さない。軍事費を削減し、ベトナムから撤兵しようとしたケネディは殺された。アメリカにとっての対外戦争は、国内の不満の目をそらし、軍事産業を育てることで経済を活性化し、勝利によって国家の威信を示すことすらできる、といういいことづくめの「政策」なのだということがこの映画からもよくわかる。銃社会の問題は「力こそすべて」「力を持つことは権利」というアメリカの国家理念の反映と読み取れる

しかし、これだけ重いテーマを持ちながら、笑いやユーモアで引き込み、一気に見せる演出力がすごい。未見の方はぜひ一見あれ