サラマンダー
WOWOWのHV放送にて鑑賞。文明を脅かすドラゴンと人類の戦いという古典的なファンタジーの要素を近未来に持ち込んでSFに仕立て上げた作品。その割りに目新しさを感じないのは、日本の場合怪獣映画で同様のパターンに慣れ親しんでいるせいだろう。この「サラマンダー」にしても、設定は完全に日本の「ギャオス」そのものだ
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2005/07/06
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おそらくCGで描かれたと思われるドラゴンの造形もよくできている。艶めかしい肌の質感や滑らかな動きが生物的で実在感がある
意外によかったのが俳優たちの演技。過剰な感情表現や説明的な長ゼリフがないのは好感触。マッチョなマシュー・マコノヒーが案外ハマっている
物語がドラゴンに支配された近未来に重点を置いているためか、文明が荒廃する過程についてはまったく描かれていないのが残念。日本の怪獣映画なら必ず都市の崩壊シーンを描くところなのだが、なぜそんなおいしい場面を端折ってしまったのか理解不能。ドラゴンのCGであれだけの力量を見せたスタッフなら、かなり迫力ある都市破壊を描けたのでは?と思わずにはいられない
ストーリー、設定の方に目を移すと、核兵器でも倒せなかったドラゴンが、最後なぜか爆薬付きの弓矢で倒せてしまうというのはどうにも変。まあ、ここに突っ込んでしまうと映画そのものが成立しなくなってしまうことはわかっているのだが、こんな初歩的な矛盾を無視して最後まで押し切ってしまったというのはある意味スゴイ^^;はっきり言って無茶苦茶。火を吐く以外に決定的な破壊力を持つとも思えないドラゴンがあそこまで繁栄していることも今ひとつ説得力に乏しい
ストーリー上の矛盾に目をつむれば、このテの映画にしては珍しくグロなシーンがほとんど無いので子供でも安心して観られる。そのことに物足りなさを感じる向きも多いだろうが、個人的にはむしろ残虐な場面を見せずにそれなりの緊張感を演出したのは立派とすら思えるのだが