カメラと映画と日本が好き

平成27年6月にはてなダイアリーから引っ越し。岩手県在住の49歳会社員。某マスコミに近いところ勤務。家族:相方&息子 祖国の未来を憂い、特定アジアと国内の反日分子を叩くことに燃えつつ、のほほんと写真を撮ったり映画を観たりするのを趣味とする男の日々。平成26年に突如としてランニングをはじめ、現在ドハマり中

「女神が家にやってきた」

女神が家にやってきた 特別版 [DVD]

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WOWOWの録画が貯まりに貯まっているのでがんばって消化中。今日は「21グラム」を観ようと思ったのだが陰気な雰囲気に気分が乗らなかったので、途中でストップ。軽い気分で観られそうな「女神が家にやってきた」を鑑賞した

大好きなスティーブ・マーチン主演のハートウォーミング・コメディ。出演作が日本ではあまり公開されないこともあって知名度は今一歩の感があるが、ハリウッドでは押しも押されぬトップスター。知らない人でも「愛しのロクサーヌ」や「花嫁のパパ」のアノ人、と言えばわかるだろう(個人的には「サボテン・ブラザーズ」のラッキーなんだけど)。この人のスゴイところはこの歳(いくつなんだ?)になってもドタバタコメディに出演しつづけていること。この作品でも変装して黒人のクラブに潜り込み、ヒップホップで踊り狂うシーンなどもあり、相も変らぬパワーを見せてくれている

ストーリーは、仕事一筋で女房子供に愛想を尽かされた弁護士のピーター(スティーブ・マーチン)は唯一の楽しみであるインターネットのチャットでシャーリーン(クイーン・ラティファ)という黒人女性と知り合う。奔放で破天荒なシャーリーンに振り回されるピーターだったが、やがて本当の自分に目覚めていく、、、とまあ文章にすると非常に陳腐な筋書き^^;幸福な結末もすべてが予定調和的でどんでん返しは一切無い。シャーリーンの背後にある事件性が見えてくるまでがやや長いので、その後の展開が性急になり、やや時間配分のバランスが悪い気もする

しかしながらこの映画に関してはストーリーを追うような見方をするのは野暮というものだろう。ここはひとつスティーブ・マーチンクイーン・ラティファの名人芸にどっぷりと浸かってしまうのが正解だ。強引だろうがなんだろうが、かまわなくてよいのである

面白さとは関係ないがこの作品、やたらと黒人差別をネタにしたギャグが多い。近年の映画ではほぼタブー視されてきたようなドギツイ表現が頻発する。この辺り、もしかするとやや日本人にはピンとこない部分もあるかもしれない。正直笑ってしまってよいものか悩んでしまうような強烈な差別表現も出てくるのだが、こういうのを見ると米国内の黒人差別はまだまだ根強いものがあるのだろう、と思ってしまう。と同時にそれを笑いのめすことのできる寛容性もまたあるのだな、とも思う

こういうそこそこに楽しめる万人向けコメディ映画が日本の劇場ラインナップから消えて久しい。最近の劇場公開作品は有名俳優出演のラブストーリーか韓国映画かアクション大作ばかり。皮肉めいた笑いはあっても、純粋なコメディはなぜか受け入れられない傾向がある。これはわしのようなコメディファンには非常に残念なことだ。なぜこれほどコメディに対する評価が低いのか理解に苦しむ。なぜ劇場に腹の底から笑えるようなスラップスティックコメディが無いのか?作品が無いのではない。ハリウッドでは今もたくさんのコメディ作品が制作されているし、アメリカでは常に興行収入の上位に複数のコメディ作品が名を連ねる。要はヒットしないと思われているからなのだと推測されるが、テレビでは「お笑いブーム」真っ盛りの昨今、もう少しコメディの劇場公開が増えてもよいのではないか?と思うのだが