「ドラえもん最終話事件」で考えた
asahi.com:「ドラえもん」最終話、勝手に出版した男性が謝罪 - 出版ニュース - BOOK
電池切れで動かなくなったドラえもんを、35年後にロボット工学の第一人者になったのび太がよみがえらせた――。藤子・F・不二雄さんの人気漫画「ドラえもん」の「最終話」と称する冊子が出回っている。「ドラえもん」の出版元の小学館は29日までに、無断で漫画化して出版した男性(37)が、同社と藤子プロに謝罪して今後同様のことをしない旨を誓約、不当な利益を得たことを認め、売上金の一部を支払ったことを明らかにした。
ネット上ではかなり有名なこのストーリーだが、実際に漫画化したものが存在するとは知らなかった。同様の話は「ドラえもん」だけでも複数存在*1し「サザエさん」にも存在*2するので、今回の事例が特別なものというわけでもなさそうな気がする。まあ「同人のお遊びが過ぎた」という程度の問題なのだろう
実際問題、完全に他人のキャラクターばかりを使用した同人誌で荒稼ぎしている輩はいるし、単純に著作権侵害を言い出せば、もっとヒドイものも沢山ある。しかし同人誌の場合、購買者はほぼ間違いなくそれが「ニセ」であることを認識しているし、流通経路も限られているので著作権者の利益を侵害することは実質的にはゼロに近いと考えられる。無論他人のキャラクターを無断借用して金銭を得ていた点は問題だが、いわゆる商業ベースの作品でもないのでもう少し寛大な和解の方策がなかったものか?という気がしてしまう
藤子プロの言い分はこう
藤子プロの伊藤善章社長は「藤子さんの世界観に基づく作品を第三者が改変して公にするのは問題だ。ファンが仲間うちでやることはまだ許容範囲と考えているが、今回はその一線を超えている」と話している。
この件については「許容範囲を超えている」と。利益うんぬんよりも話の内容そのものを改変されたことを問題視しているらしい(と言ってる割に売上金の一部を請求しちゃうってのは、、、)
まあ本家にこう言われれば引き下がるほか無さそうだが、本当に駆逐すべき深刻な利益侵害は海の向こうにこそあると思うのだが。支那や韓国のコピー本の場合、本物に「なりすまして」直接的に利益を侵害している点で今回の件とは決定的に異なる。藤子プロもこんな些細な事例にイチイチ目くじら立てんと、そちらを調査する方が先じゃないのかね?