「宇宙戦争」
- 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
- 発売日: 2005/11/09
- メディア: DVD
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ともかく技術の凄さには始終圧倒されっぱなし。凝りに凝った音響とCG合成とは思えない迫力の映像を最初から最後まで楽しむことができる。が、はっきり言って人間ドラマの方は完全にペケ。主人公はじめとする登場人物にまったく魅力が感じられず、感情移入もできない。あえて挙げれば途中端役で登場するティム・ロビンスがいい味出していたが、それとてストーリーの繋ぎ役に過ぎない。最終的には恐怖におののくダコタ・ファニングの金切り声のやかましさだけが耳に残るという始末
細かいツッコミどころも満載。敵の操るトライポッドによってライフラインが止まっているはずなのに都合のいいときだけ水道は使えちゃったり、すっごいテクノロジーをもつ宇宙人の割に廃屋を探索するときの知能は爬虫類並みだとか、そもそも「100万年前から」計画してきた侵略作戦の割には、負ける理由がつまんなすぎ、などなど。。。
あのラストには異論のある人も多いだろう。あまりにあっさりしすぎていて、前段のパニックはなんだったんだ?と思わせられる。かと言って「特攻」で撃退するような結末なら、「インディペンデンス・デイ」とまったく同じになってしまう。スペクタクルとしての面白みには欠けるが、オリジナリティは保たれたと言って良いかもしれない
この作品は娯楽大作を謳いながら、最大公約数的大衆を楽しませることのできる作品ではないと思う。実はスピルバーグが私的に作ってみたかっただけの作品なんじゃないか?あるいは映画の中でアメリカ人を路頭に迷わせて観たかっただけなんじゃないか?などと邪推してしまうほど
あくまでも「劇」や「物語」としての映画を楽しみたい人には向かない作品であると断言できる。スペクタクル「的」な楽しみ方のみで良ければオーケー。ただし「スカッと爽やか」な気分にはなれないので悪しからず