蒼い瞳とニュアージュ
前夜、WOWOWドラマWの「蒼い瞳とニュアージュ」を見る
- 作者: 松岡圭祐
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/09/25
- メディア: 文庫
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こういうドラマは謎解きの緊張感が最も肝心だと思うのだが、残念ながらもうひとつ盛り上がっていかない。一見何の関係も無いように見える複数の客観的事実が一つの到達点に向かって収束していく謎解きドラマの醍醐味が感じられず、どこか「無理矢理」「こじつけ」という感が否めない。こうなると視聴者は感情移入できる、あるいは自己を投影できるキャラクターを探すことになるのだが、感情移入できるほどの強烈なキャラクターも登場しないため、結局傍観者となって作者の思惑通りの展開をただただ見守るだけにならざるを得ない
原作がある以上、ある程度その要素を盛り込まなければならない、というのはわかるのだが、挿入される場面に強引なものも多く、展開にまとまりがない。主人公と立てこもり事件の被害者双方に影を落とす心理学者(篠井英介)の存在意義は最後までよくわからないし、ほとんど本筋に影響を与えない佐藤江梨子演じる捜査支援室長に中途半端なネット批判をさせるシーンなどいかにも取ってつけたような印象
ストーリーそのものにも突っ込みどころが沢山。絵本に登場する「雲」が「子供を守る大人たちのメタファー」とか言っておきながら、立てこもりの被害者が「私、雲になります」などと言うのはまったくもって意味不明。なぜ麻美はネット上で個人運営しているに過ぎない「ニュアージュの会」を知ることになったのか?青酸カリを持つことで「生きる勇気が出た」とただ言われてもまったく説得力がない。そもそも「ニュアージュの会」がどうして支持されるのかも全然わからない。最初の立てこもり犯はどうして「ニュアージュの会」に手を染めたのか?それも説明できない。その他にも爆弾犯とはとっくの昔に別れたはずの女社長がどうしてあそこまで犯人の意図を瞬時に理解してしまうのか?事件が解決したからといって情報漏洩を不問に付すなよ!結局麻美はどうなったんだよ!などなど。。。考えれば考えるほど釈然としないものばかりが残ってしまった
収穫があるとすれば深田恭子の役者としての懐の深さを知ったことくらい。この人結構役によってイメージに振り幅があるのだが、こういうブランド物ジャラジャラのキャラクターを演じても違和感がない上にさほど嫌味もない。こういうキャラクターを持つ人って実はあまりいない気がする。これが沢尻エリカだったら反感バリバリだろうし
てなこと書いてるのだが、実は見ている間「深田恭子って結構胸あるな〜」とか「ミニスカート良いな〜」てなことばかり思っていたことはナイショだ!w